「愛の不時着」の感想

GW 中に、今更ながら、
韓国ドラマ「愛の不時着」を見た。

制作したのは韓国のケーブルテレビ局だが、
日本では、Netflix が独占配信中。

ちょうど、ヴァイオレット・エヴァーガーデンの劇場版を
見るために、４月から Netflix に再入会したところだったので、
退会前に、他に何か、と思っていたらお薦めされて、
以前から気になっていたので、一気にまとめて見たのだが、
かなり面白かった。

以下、激しくネタバレあり。

　＊　＊　＊

ご承知のとおり、
韓国の財閥の娘で実業家としても大成功している
ユン・セリが、パラグライダーの事故で、
北朝鮮の非武装地帯に不時着して、
そこに駐屯していた、北朝鮮の政治総局長の息子である
中隊長 り・ジョンヒョクと出会って、
家族から得られなかった真の愛を得る、
というすごい設定。

ロミオとジュリエットだ、ウェストサイドストーリーだ、
といえばまぁそうなのだが、それにしても、
こんなぶっ飛んだ設定の企画がよく通ったものだ。

１話が約 1時間半で、全部で16話もあって、
韓国ドラマはもっと長いものも
たくさんあるわけだが、
日本の基準だとかなり長い。

前半の北朝鮮編と、後半の韓国編に
分かれるのだが、特に、前半は
脚本が天才的に素晴らしいと感じた。

なにより、北朝鮮の暮らしが物珍しい、というのもあるが、
個々のキャラクターの設定から、細かい設定、伏線と回収、
主人公二人のコミカルで時にシリアスなやりとり、
緩急のつけかた、等々、ほとんど文句のつけようがない。
こんな複雑なよくできたお話を、よく作れるものだ。

それに対して、後半の韓国編は、
さすがに少し粗が見えた感じもあった。

前半のいろいろな設定を活かさないといけない
という制約がきつくて、場面の切り替わりが多くなり、
ラブロマンスとサスペンスとコメディの緩急もちょっと強すぎる感じ。

韓国の生活に対する北朝鮮の人の反応を描いているような
部分については、飛ばしたいと感じるシーンも結構あった。

なにより、悪役側が、韓国では自由に振舞えないので
全体的にこじんまりとしてしまったし、
それに対応して、主人公側も、どうして一人でそこに行くかね、
みたいな対応が増えて、すんなりとは
感情移入しにくい部分が増えた。

途中からは、いったいどういうふうに終わるのか？
だけを楽しみに見ていた感じ。

それでも、ラストはまぁ妥当な終わり方で、
とても美しかったし、
俳優さんの演技もそれぞれ素晴らしかったし、
全体としてはとても楽しめた。

　＊　＊　＊

北朝鮮の風景、特に、平壌の風景が出てくるので、
まさか北朝鮮でロケしたの？と思ったが、
Yahoo! 知恵袋によると、やはり違うようだ。
セットや CG やモンゴルでの映像が
組合せられて使われているらしい。

主人公のユン・セリを演じたソン・イェジンさんと、
リ・ジョンヒョクを演じたヒョンビンさんは、
最近、結婚したらしい。

まぁ、あれだけ理想的なカップルを演じたら、
とりあえずそうなるのはわからなくもない。
「逃げ恥」の新垣さんと星野さん
のような感じだろうか。

ソン・イェジンさんの顔や雰囲気が
誰かに似ているなぁ、と思いながら見ていて、
コメットさんをやった頃の九重佑三子さん？
と思って隣の人に尋ねてみたが、
「全然似てない」「かわいそう（どっちが？）」
という反応だった。

ネットでは、清水美沙さんに似ている
という声が多いようで、確かに、似ている感じはする。
ちょっと強気なキャラクター的雰囲気としては、
木村佳乃さんも近い？

リ・ジョンヒョクの婚約者の
ダンさんはとてもかわいそうだった。

どちらのカップルもうまくいって、
ラストは４人が会うというのでも
良かったようにも思うのだが・・・

ひと言でまとめると、
スイスに行きたいなぁ、と強く思った。