ブランチより愛をこめて

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国際平和維持軍(IPF)

2023-02-08 13:01:33 | 設定全般

IPFのシンボルであるブルーヘルメット。平和維持部隊が着用するヘッドギアは青色にすることが慣例となっている。

国際平和維持軍(IPF”International Peacekeeping Force”)は、
2020年に青レゴ共和国とブランチが共同提唱した「世界の紛争地域の安定化」と「非人道的な行為から民間人を保護する」ことを目的とした国際機関であり、IPF条約を法的根拠とする多国籍平和維持軍。
常設の部隊はなく、IPFが各事象に対応する際にその都度、条約批准国の任意の供出によって組織される流れとなっている。

内戦によって破壊されたラグンナワ首都ガブリとそれを眺めるIPF要員。

支援物資を輸送するIPFの車列。
バスラン難民キャンプから物資輸送のため出発するブランチ隊の車列。



IPF条約又は難民条約批准国及び批准国理事会(オブザーバーを含む)一覧
※条約批准国理事会は原則、IPF条約批准国全国家で構成される。
青レゴ共和国:ラグンナワミッション参加国、第一回批准国理事会理事国、難民条約批准国、レゴリアスミッション参加国(人道支援のみ)、難民首席弁務官輩出。
ブランチ連合領大公国:ラグンナワミッション参加国、第一回批准国理事会理事国、難民条約批准国。
ラグンナワ共和国:ラグンナワミッション受入国。
レゴリアス王国(現ヴォアリプ立憲王国):ラグンナワミッション参加国、第一回批准国理事会理事国、レゴリアスミッション受入国。
ベスケット王国:ラグンナワミッション参加国、第一回批准国理事会理事国。
クリスシティ連合共和国:ラグンナワミッション参加国、第一回批准国理事会理事国。
南ラディッシュ国:ラグンナワミッション参加国。
デルネン王国:ラグンナワミッション参加国、難民条約批准国。
王圏連合:第一回批准国理事会オブザーバー、難民条約批准国。
ブリック共和国:第一回批准国理事会理事国、難民条約批准国、同国の民間軍事会社がレゴリアスミッションにおいて、ヴォアリプ立憲王国の要請によりPKO活動を業務受託。
メプル連合公国:難民条約批准国、レゴリアスミッション参加国。



1.IPF条約に基づくPKOの原則
IPFが行う平和維持活動には4つの原則があり、
IPFでは参加国と受入国のいずれもIPF条約の批准国または批准能力を有する国家に準ずる組織であるものと定義されている。
これらはIPFの行うPKOにおいて、各国の主権を侵害することがないように配慮したものとなっている。

①PKOは受入国となる紛争当事国の同意のもと行われる。
②PKOの参加及び撤退は有志国に委ねられる(ミッション終結宣言後の強制退去を除く)
③如何なる政治的な意図も有さない。
④武器の使用は正当防衛のみに限定される。

①´PKOの実施はIPF条約を批准した受入国による理解によって行われるというものであり、IPFが他国の主権を侵害することがないというものを示している。
②‘PKOへの参加はあくまでも強制ではなく、有志国による自由意志であり、有志国は自国の状況にあわせて参加の有無、または活動の中止や撤退が認められている。
③'PKOが国際政治による覇権の舞台とならないよう担保されている。
④'PKOはあくまでも戦力の引き離しや停戦監視を主任務とするものであり、如何なる場合も紛争に加担することがあってはならないことからPKO要員や保護対象者に生命の危機が迫る等の限られた状況においてのみ、その最低限の武力行使が認められている。



2.IPF創設の経緯
2020年1月、時のブランチ政府総裁のバーミリアンは、新たな国家方針を示し、
開かれた国際社会への参加と国際協調における一つの手段として、平和維持活動に関する国際機関の創設を提唱した。
ブランチ単独での平和維持活動は国力上不可能であり、国際社会からの理解が必要不可欠であったことから歴史的な友好国で、ブランチと同じく帝圏兄弟国として積極的な国際協調を元来の国是とする青レゴ共和国に協力を要請した。
またPKO活動は、時の連合領大公ゼヴァルド3世の長年の夢でもあったことからブランチ政府としては、なんとしてもこの構想を実現させたかったこともあり、青レゴ共和国とブランチは2020年2月2日に行われた青舞首脳会談において、IPFの共同提唱を行った。
IPF本部は青レゴ共和国の首都ブロンブレンに置かれることとなった。

青舞首脳会談で握手を交わすアダム・ウッド青レゴ大統領(左)とバーミリアン政府総裁(右)



3.活動

ラグンナワミッション(2020/2~)
島国ラグンナワでは、PKOの数年前から少数派民族で政権を握っていたラグ族と多数派民族のナワ族による衝突が起こっており、2019年7月になると政府軍と反政府軍の武力衝突が発生。
戦闘による民間人の死傷や双方の迫害や虐殺、難民発生が問題視されるようになっていた。
IPF条約が発効された翌日の2020年2月3日、ラグンナワ共和国がIPF条約を批准し、条約の定める紛争当事国(受入国)としてIPFにPKOを要請、これが承認されたことでIPF初のPKO「ラグンナワミッション」が開始される。
ミッション開始から程なくして2月18日には停戦が実現したが、その5日後にラグンナワ大統領のガタイが搭乗する専用機が何者かによって撃墜され、ラグンナワ政府軍が停戦を破棄、非武装地帯に侵攻するとIPFは中部バスランの難民キャンプへ後退し、2年近くこの地域でのみの活動を余儀なくされた。
また指揮系統が曖昧であることや平和維持要員の犠牲を把握していたにも関わらずIPFが公表していなかったことも明らかとなり、参加国もラグンナワでの積極的な行動を控えるようになっていった。
結果的にラグンナワでのPKO活動が再度活性化するまでには、反政府軍が全土を掌握する2022年6月まで待たねばならなかった。
2022年以降はインフラ再建などを柱とする支援計画がスタートしたものの、ラグンナワを掌握したナワン率いるラグンナワ愛国統一戦線が、グ連に接近する動きをみせたことで再建支援計画は遅々として進まない状況が続いている。

ラグンナワ首都ガブリから難民キャンプのある南部バスランに向かうIPF部隊。

撃墜されたラグンナワ政府専用機、搭乗していたガタイ大統領が死亡したことで、バレンタイン停戦がラグンナワ政府から破棄されることとなった。

難民キャンプに押し寄せる過激派民兵。キャンプの外は非常に危険な状態となっていた。

難民キャンプ内に逃げ込んだラグ族過激派イルミナラタウェの民兵を襲撃する難民と仲裁に入るIPF要員ら。

バスラン地域を掌握したラグンナワ統一愛国戦線の指導者であるナワンが難民キャンプを訪れた際の様子。

民兵らによる襲撃を避けようと陸路とは別に空輸による物資援助も活躍した。



レゴリアスミッション(2022/7~)
IPF条約批准国であり、実際にPKOにも参加した経験をもつレゴリアス王国が2022年に世界の覇権争いの中で戦渦にみまわれた。
レゴリアスでの共産政権の樹立によって国内の混乱が生じ、グ連は共産政権の存続を確固たるものにしようと突如としてレゴリアスに侵攻を開始したのである。
レゴリアス南部には親王圏政権であるヴォアリプ立憲王国が誕生し、共産圏の支援を受けた共産レゴリアスはヴォアリプ立憲王国への攻撃を開始した。
大量の難民が発生したことを受け、IPFは初の批准国理事会を緊急招集、ヴォアリプ立憲王国による支援要請を受け、決議により同国内でのPKO(レゴリアス支援団)が開始されることとなった。
レゴリアス戦争が激化する中での派遣であり、レゴリアスミッションは難民キャンプの運営を行うことに限定されている。
尚、キャンプ周辺の警察権は王圏連合がレゴリアス防衛のために組織したSLIGの管轄となっている。

共産レゴリアスとヴォアリプ国境で撮影。越境する難民とそれを阻止しようとする人民警察。

ラハ暫定難民キャンプに避難民を輸送するメプル隊の車列。

市民を標的にした爆撃により多くが命を落とした。

ラハ暫定難民キャンプに押し寄せる避難民ら。



4.民間委託
レゴリアスミッションでのIPFの活動が難民キャンプに限定されたことで、難民キャンプ周辺の安全確保などは特段任務に規定がなされなかった。
ラグンナワでの平和維持要員の犠牲という過去の失敗からIPFは消極的になると予想された参加国の要員供出の不足として、一部の付属的なオペレーションを外部の民間企業に委託するという初めての試みを行った。
IPFはレゴリアス政府などと契約を結んだ実績をもつブリック共和国の民間軍事会社「スパルトイセキュリティグループ」と連携することを決定し、レゴリアスミッションへの派遣とIPF関係者の警護業務について同社と契約することとなった。



5.条約批准国理事会
IPF条約第3章第16条に規定されたIPFの最高意志決定機関であり、組織図上ではIPF事務局を指揮監督する組織である。
事務局の招集により実施され、重要事項などを決議する役割をもつ。
尚、各批准国や参加部隊への指揮権は有さない。
第一回批准国理事会はレゴリアス内戦によって発生した難民問題に対応するべく、事務局が緊急招集したことで開かれた。
またレゴリアスが加盟する王圏連合、レゴリアスと実質的な軍事協力関係を結ぶブリック共和国がオブザーバー(後に理事国)として参加した。
この理事会ではまずレゴリアス難民問題への介入がIPF条約第10条規定の「緊急援助」に解釈上該当するかが問題となった。これは差し迫る人道危機に「紛争当事者個々の了承を必要としない」とする規定があることからブランチはIPFに見解を求めたのである。しかしこれはそもそもIPF条約の定める主権侵害の防止に抵触する危険性があったことから結果的にIPFとして、南レゴリアスに建国されたヴォアリプ立憲王国の条約批准がIPF介入の前提条件であることが示された。
その後、批准国理事会決議22071号、同22072号が賛成多数で可決し、IPFはレゴリアス支援団による暫定難民キャンプの運営を決定した。
またラグンナワでの難民問題で浮き彫りとなった難民の法的保護の明確化や地位向上を目的に難民議定書が提起され、暫定的な難民保護国際機関である難民保護首席弁務官事務所が創設された。



6.難民保護首席弁務官
レゴリアスミッションでは、先のラグンナワでの難民の法的保護軽視による反省から、IPFでは初となる首席弁務官制度を導入した。
尚、実際に協業となるものの首席弁務官事務所はIPFとは異なる臨時国際機関として独立している。
批准国理事会で難民議定書が公表され、これを受け2022年7月6日に首席弁務官制度が採用された。議定書では、難民問題を扱う常設の国際機関が設置されるまでの期間、難民問題に関する保護や国家間調整と実務を担うことが定められていた。
議定書には青レゴ共和国、ブリック共和国、王圏連合、ブランチ、デルネン王国、メプル連合公国の6カ国が調印し、IPFは各国に首席弁務官の候補者推薦を要請。候補者の中から最も外交経験が豊富な青レゴ共和国のロジャード・バーナー元外務相を任命した。



7.平和維持活動
IPFが現在までに行っている平和維持活動は以下のものに分類される。
IPFは戦闘行為そのものの停止というよりも非戦闘員の保護を目的に設立された経緯を持つことから軍事的な戦闘能力よりも非戦闘員の保護を主眼に重きが置かれている特徴をもつ。

①停戦交渉
紛争における停戦交渉は、ラグンナワで行われたバレンタイン停戦交渉が現在までの唯一の実例となっている。尚、このバレンタイン停戦も先述のとおり5日間で破棄されることとなった。

ガブリで行われた停戦協議で握手を交わすガタイ大統領(奥)と統一愛国戦線の指導者ナワン(手前)。

②戦力引離し
ラグンナワ内戦では非武装地帯の設定により南北に対立勢力を引き離すことを目指したものの実際には南北それぞれに両民族の過激派が点在していたことから虐殺などを完全に防ぐことはできなかった。


③停戦の監視
非武装地帯を管理するIPFは、ラグンナワ南北の軍事部門の往来を制限し、監視所から双方の動きを監視していた。これもラグンナワ政府軍の停戦破棄によって崩壊してしまった。
一方的に停戦を破棄したラグンナワ政府軍は、非武装地帯に侵攻した。

非武装地帯からの撤退したIPF。ラグンナワ政府軍を警戒している。

④難民支援
平和維持要因の少なさから広大なエリアの保護は行なえず、難民キャンプの運営に注力する傾向がみられる。ラグンナワではキャンプ外の難民が保護出来ず、ジェノサイドに有効な対抗策を講じることができなかった。またラグンナワでの事例から難民保護における難民の社会的地位、法的保護が必要であることが認識され、後に難民首席弁務官制度が導入されることとなった。
難民キャンプについては現在もラグンナワのバスランとヴォアリプ立憲王国のラハ暫定難民キャンプを運営しており、人道支援を行っている。

当初のバスラン難民キャンプの様子。

難民キャンプの外で怪我を負った子どもをキャンプ内の医療施設へ搬送するIPF部隊。キャンプ外では民兵が多数おり、救助そのものが危険をともなった。

難民キャンプで給水支援を行うIPF部隊。

⑤選挙監視
ラグンナワ内戦の終結後、2022年6月に行われたラグンナワ統一選挙に文民監視団が派遣された。

統一選挙実施をラグンナワ市民にPRするIPF部隊。

候補者を警護するIPF部隊。

⑥インフラ再建(社会インフラを含む)
統一選挙によるラグンナワ政府の成立を受け、インフラの再建、政府機関への助言、文民警察官の教育といったハード・ソフト両面のインフラ支援を行っている。



7.問題点
IPFは国際機関ではあるものの条約を批准した国家の有志による組織であること、時を選ばず発生する事象に各国は自国負担で対応する必要があるため、常に人員や装備が不足しており、国家によっては民間企業に業務の一部を委託するというケースもみられるようになった。
IPFは各隊に指示は出せるものの、指揮系統が一本化されておらず、各隊の指揮権は派遣国にあることから各部隊間での緊密な連携をとることが困難である点が指摘されている。
また文民によるIPF本部と、武官がいる現場とでは、それぞれに意思統一が行えていないことも問題視されており、IPF本部の判断の遅れが現地での対応の遅れの原因である点も指摘され、このIPFのリーダーシップの欠如が責任の所在を明確化できず、組織の改革や抜本的な対策が進まない原因といわれる。



8.IPFにおけるブランチ軍の活動
ブランチはIPF共同提唱国の一国であることからラグンナワミッションでは積極的に部隊を派遣してきた。
IPF条約に批准後、平和維持活動派遣連隊を創設し、この部隊が主に現地に派遣されている。
これら部隊は非戦闘員の保護、保護対象者集団や車列の警護、パトロール、避難民や支援物資の輸送、インフラ再建に投入されている。
またラグンナワミッションでの経験から部隊も増強されつつある。
特にインフラ再建などを担う部隊には、開発中の装備などが試験的に導入される例も増えている。
尚レゴリアスミッションについては、レゴリアス戦争にブランチが参戦したことを受け、難民保護首席弁務官事務所に調整官となる事務方を派遣するに留まった。



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