リリーの奇妙な行動

リリーは亡くなる前夜から亡くなるまで一日中とても奇妙な動きをしていた。
お腹もすいてるし、具合も良くないはずなのに、中々寝ない。
私のベッドのすぐわきに毛布をたたんでリリーのベッドにした。
いつもならすぐに眠ってしまうのに、この日はいつまでも寝なかった。
私は全仏テニスを見ながら１時頃まで起きていて、もう寝るだろうと思っても寝ない。
ジーッ前を向いて座っている。
私を頼るでもなく、自分の世界に入ってるようだった。
私の方が眠くなって、ついうとうとすると吐く音が・・・。
サッサと片付けて雑巾がけ、リリーの口などをきれいに拭く。
気持が悪いから寝られないのか、でも顔はシュッとしていたな。
いつ吐くかわからないから電気をつけっぱなしにして、時々
リリーを覗き込むんだけど、寝てない。
結局一晩中起きてたみたい。そんな体力ないはずなのに。
昼間はヨロヨロ歩き回り、家の中をキョロキョロしている。
まるでお家にお別れしているようだった。
キョロキョロした後、疲れて少し眠るが、すぐ起きてヨロヨロと歩く。
あちこちの場所で少しずつ寝ていた。
可哀想に思ったがそんな姿も可愛くて、一枚だけ写真を撮らせてもらった。
いつもの水飲み場で寝ているリリー。



夜になってさすがに眠いのか私のソファーの横で眠っていた。
私はその夜も寝られないときついので、リリーと添い寝する形で横になっていた。
いつも仕事で夜遅く帰ってくる次男が珍しく１０時前に帰っていて
リリーの異変に気づいてくれた。
リリーはほんの少しもがくように動いた後、動かなくなった。
次男と私が看取った形になった。
その後二階の夫を呼んで来たり、娘に電話したり・・・。
娘は夕方もう一度会いに行けば良かったと悔やんだ。
分からないから仕方ないよね、私も本当は最後は抱いて送りたかった。
あっという間にリリーは私の腕から消えてしまった。
最後に抱いたのはお尻を洗いに洗面所に行った時、軽くなったリリーを抱えて
汚れた体を丁寧に洗った。
散歩の後いつもこうしてお尻と手足を洗ったな～と思い出したりした。
元気な時は４キロ近くあった体重も2.4キロになってました。