”知財コミュニケーション研究所 知財コミュニケーター”® 知財活用コンサルタント・セミナー講師:新井信昭のブログ 

「社長! その特許出願ちょっと待った!」。「見せない 出さない 話さない」と「身の丈に合った知財戦略」で企業を元気に!

学術論文と特許明細書

2012-05-23 08:33:54 | 大学・大学院における活動
おはようございます。知財経営プロデューサーの新井信昭です。

農工大の授業。

昨日は、学術論文と特許明細書の違いについて考えました。

公有知識を発表するための書類である学術論文。

専有知識を宣言するための特許明細書。

それらに記載されるデータはどう考えるべきか?

学術論文におけるデータはチャンピオンデータで足りる場合が多いが、特許明細書のそれは発明範囲をすべてカバーしたものでなければならない。

学術論文は知の垂直展開(深堀)を主目的とするが、特許明細書は十分な水平展開を図らなければ回避可能な絵にかいた餅特許になりかねない。

競争原理が働くビジネスの社会。

この社会と必ずも密接でなくてよい学術論文のあるべき姿と、新しい知識を開示させることにより産業の発達を促そうという特許制度の下にある特許明細書のあるべき姿と、は、違うように思う。

簡単に出せる答えではないが、学生たちが両者を再認識する一助になってほしいと願いつつ、プロジェクターのスイッチをオフにした。

今日もお読みいただき有難うございました。

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