Born Free

"縮図"


NHKの"72時間"っちゅうドキュメント番組。
今日で最終回やったんやけども
朝、テレビ欄を見て…

「コレ、見たいなぁ。」

っちゅう風に思た。

せやけども、ジムに行ってて
すっかり忘れてしもて
最後の15分だけしか見れんかった。

最終回にして、見たかったテーマっちゅうのが
名古屋~仙台~苫小牧のルートを航行する
"大平洋フェリー"の乗客の
それぞれの姿を追ったモンやった。

船旅好きのワタクシ
ちょこっとだけでも観れてよかった。

こないだ、宮崎に行くのに久々に
フェリーを使ったワケやけども
単車を載せてフェリーを使っての
ツーリングが更に好きなんやけども
最近は御無沙汰である。

四国、九州や北海道、沖縄。
結構、いろんな方面に行くのに使った。
船着場や乗船中に様々なヒトと出会った。
ここで、よう登場させる"ごるご51"さんもそのひとり。

そんな中で、忘れられんコが居った。

7年前に八重山ツーリングに行った帰りの
那覇~名古屋~大阪のルートを航行する
"有村産業フェリー"の"クルーズフェリー飛龍21"
っちゅうフェリーに乗った時のコト。

その時は乗船客が少なくて
結構、寂しい状態やった。
しかも、那覇から一旦名古屋を経由するっちゅう
気の遠くなりそうなルートやさかいに
52時間もどないやって過ごすか困ってた。
しかも、単車は一台載ってただけ。
ハナシをするヒトが居らん。

まず、船着場で高校を卒業し立ての男のコが
大阪まで乗るっちゅうコトでちょこちょこっと
しゃべってたんやけども船の中では
殆ど寝てたみたいやった。

次に、ワシの他では唯一の単車乗りのお兄さん。
そのヒトは名古屋で降りて自宅のある静岡まで
単車を走らせて帰るっちゅうコトである。

そのヒトは最初、近付き難いカンジのヒトやった。
大人しいっちゅうか、モノ静かなカンジがして
ヒトとハナシをしそうに無い様なカンジがした。
それだけに向こうから声を掛けて
来てくれた時はビックラこいた。

せやけども、ハナシをし出すと旅のハナシを色々としてくれた。
どうやら、石垣島のキャンプ場に腰を据えて越冬してたらしい。

さて、次に出て来るのが"忘れられんコ"である。

一晩目のフロ上がりの時に船内を歩いてる時に
ショートカットでメガネがよう似合う
ワシの"ストライクゾーンド真ん中!"のコが居った。
眼が合うたさかいにお互いに会釈して
少しだけコトバを交わした。

「どちらまで…」
「名古屋で仙台行きのフェリーに乗り継いで自宅に帰ります。」

そんな月並みな会話をした程度やった。

二晩目の同じ時間位に再び会うた時に
先述の高校出立てのコと三人で色々ハナシをした。

「今、学生さんなん?」
「そうなんですケドも、進級出来ないと思います。」
「そうなんや。」
「ええ。ぢつはやめるつもりなんですよ。」
「えっ、今、何回生?」
「四回生なんですが、終盤殆ど行って無いんですよ!」
「そうなんやぁ。」

意外な会話をするコトになった。
ものごっつう、刹那的なハナシになった。
ワシも、それまで経験したコトをハナシをさせて貰った。

親父亡き後、跡を継いで失敗したコト。
親友に先立たれたコト。
その旅行前に四年間務めたトコを社長とケンカして辞めたコト。

「意味があるか、無いかって今判明らんかったら
  とりあえず、もう一年辛抱して卒業だけはしてみたら。」
「その方がいいのかなぁ。」
「結局、選ぶのは我が自身やけどもワシかって何をしたらええか
           理解らんさかいに進学した様なモンやし…」

そんなカンジでハナシをしたっけなぁ。
横に居った、高校出のコは
相槌や感嘆を発し乍ら、最後までハナシに付き合ってくれた。

ワシが丁度、30歳の時やって
若いコにそんなハナシをエラそうにしてるのが
なんか申し訳無い様なカンジがしてたモノの
旅の最後にそんなコトがあったさかいに
ものごっつう嬉しかった。

翌朝、名古屋港に入港。そのコを見送った。
残念乍ら、それから会うてない。

少ない人数ではあるモノのこの時の出会いって
忘れられんモンやったなぁ。

今頃、何処で何をしてるんなかぁ。

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