Daikon石造物巡りの旅

狛犬、石造物 主に丹波の佐吉の石造物をご紹介して行きます。

宇陀地域の佐吉石造物③「徳源寺」「岩室道標」

2020-09-16 10:31:28 | 日記
皆様こんにちは 
今回は「徳源寺」の布袋像と「岩室道標」を紹介致します。

まずは徳源寺の布袋像から

徳源寺へは、「道の駅宇陀路大宇陀」さんより
国道166号線を、榛原方面へ 
お弁当屋さんのある交差点を左折
すぐに「織田公墓所 徳源寺」と書かれた看板が出てきますので右方向左手に御座います。 
付近に駐車場は御座いませんので
大宇陀健民グラウンドに停めていただいて
徒歩5分ほどです。










         (作師照信 花押)

         (布袋像の説明書)

        (彫りかけの布袋像)

徳源寺さんの階段を上りきって、左側に御座います。
隣には何故か彫りかけの布袋像も
失敗したのか、気に入らなかったのか
いずれにせよ、彫りかけは中々見れないので珍しいです。

徳源寺さんには他にも変わった石仏が御座います。

           (六地蔵)
この並び方は中々見ないので珍しいです。


           

          (不動明王像)


織田松山藩主四代の五輪塔も御座います。



次に岩室道標への行き方です。

岩室道標へは 
健民グラウンドより、国道166号線へ戻り左折 
奈良県畜産技術センターの看板を目印に右折 
突き当たりを右折後すぐの分岐を右へ
すぐの所、自動車整備工場前のY字路に御座います。
 

     (右 はせ 者い原 左 み王 さ久らい)



      (嘉永五壬子年 十月上旬建之)

彫りが深く、他の佐吉道標と同じ字体
年代から、佐吉の作で、ほぼ間違いないようです。
こちらの岩室道標は、宇陀市指定の文化財になっています。
近くに駐車場は御座いませんので
近隣住民のご迷惑にならぬよう、見物をお願いします。

宇陀地域にはまだ、佐吉の石造物が御座いますので
是非お越しください。

 (所在地)
「徳源寺」奈良県宇陀市大宇陀岩室830
「岩室道標」奈良県宇陀市大宇陀岩室706付近
(大宇陀モータースさん付近)

宇陀地域の佐吉石造物②「宇太水分神社」「神楽岡神社」

2020-09-16 09:37:56 | 日記
皆様こんにちは
今回は「宇太水分神社」と「神楽岡神社」の佐吉狛犬を紹介致します。

宇太水分神社へは県道218号線内牧菟田野線を菟田野方面へ
県道31号線との交差点を左折 
少し進んだ左手にあります。

内牧菟田野線の三叉路には
佐吉の平井道標もありますので
是非ご覧ください

      (南面 奉四國八十八箇所霊場)
   (西面 すく 大師山 是ヨリ十一丁 いせ 道)


     (東面 すく うた 左 古市場 道)

        (嘉永七甲寅六月立之)

では、宇太水分神社の佐吉狛犬です。









         (作師照信 花押)

         (嘉永七甲寅歳九月旦)

こちらの狛犬は、開いた尾、巻き毛、美しい筋肉、台の「奉獻」の深い文字 
まさしく佐吉狛犬のスタイルです。
宇太水分神社の佐吉狛犬は、鳥居の両サイドにいます。

宇太水分神社には、佐吉の永世燈もございます。










        (嘉永七甲寅歳九月旦)

狛犬と全く同じ製造年月から、同時に造られ、同時に奉納された物だと考えられます。 

次に神楽岡神社の佐吉狛犬です。

神楽岡神社へは
宇太水分神社駐車場より左折 
地蔵の辻交差点を右折
水分橋南詰を左折
しばらく走り松山地区方面右折するのですが
神楽岡神社周辺に駐車場はありません
その為直進して頂いて 
道の駅宇陀路大宇陀さんの駐車場に停めて 
徒歩10分ほどです。

尚、地蔵の辻交差点を右折後すぐの
橋を渡って右側の、芳野川沿いに 
佐吉の石仏が御座います。。






         (作師照信 花押)



こちらの大師像、小さいながらも精密な彫りで
一番新しい物と言われても、疑わないほどです。

では、神楽岡神社の佐吉狛犬です。













       (嘉永七甲寅歳四月吉日)
      (但州竹田産 作師照信 花押)

こちらの狛犬も嘉永七年、宇太水分神社の狛犬と同年で
やはり良く似ています。

神楽岡神社を出てすぐ、参道沿いの法正寺さんにも
佐吉の石仏が御座います。






       (但州竹田産 作師照信 花押)

こちらの地蔵は安政2年の作です。

宇陀地域には沢山の佐吉石造物が残されていますので 
是非お越しください。

 (各神社の所在地)
「宇太水分神社」奈良県宇陀市菟田野古市場245
「神楽岡神社」奈良県宇陀市大宇陀上新1903

宇陀地域の佐吉石造物①「平井八王子神社」「六柱神社」「五社神社」

2020-09-15 13:48:04 | 日記
皆様こんにちは 
今回は「平井八王子神社」と「五社神社」の佐吉狛犬を紹介致します。

まず「波の佐吉」について
簡単に説明させて頂きます。

丹波の佐吉」とは 文化十三年(1816年)
但馬の竹田(現在の兵庫県朝来市和田山町)で産まれます。
裕福な家庭に産まれたものの、佐吉が四歳の頃
両親が他界、孤児になってしまいます。

しばらくして、丹波の渡り石工「難波金兵衛伊助」に引き取られ、石工としての腕を磨いていきます。

その後伊助は結婚し「難波屋」と言う店を構えます。
伊助に長男が産まれた事をきっかけに丹波を出て 
渡り石工として、大阪を中心に各地の石屋を点々とします。

その頃、石工仲間達との競い会いで
誰も作ることのできなかった、「石の尺八」を佐吉は完成させます。
その話が「孝明天皇」の耳に入り 
石の尺八を献上、「日本一の石工」と称賛されます。
孝明天皇より「日本一の石工」の称号を与えられてから
作品に「作師照信」(本名.村上照信)と彫るようになったそうです。

その後、嘉永五年(1852年)奈良県宇陀市菟田野町平井に  
四国八十八箇所霊場を石仏で再現して欲しいと依頼を受け
三年の歳月をかけ、十人の弟子達と、約百体の石仏を完成させました。(平井大師山の石仏群は近々記事に致します。)

       (平井大師山 佐吉作 不動明王像)

その後も数々の石造物を造りあげた佐吉ですが
当時の流行り病、梅毒にかかり
ある日家を出たきり帰って来なかったそうです。

簡単ですが、これが佐吉の生涯です。
  

では、「平井八王子神社」と「五社神社」の佐吉狛犬を紹介します。

「平井八王子神社」へは
針ICより 
国道369号線を「榛原/室生」方面へ
トンネルを越えた突き当たりを「曽爾/御杖」方面「伊勢本街道」へ左折 
6キロ直進して県道218号「菟田野」方面へ 
2キロほど進んだ所で「特別養護老人ホームやまびこ」さんの看板を目印に右折

       (反対方向からの写真です)
真っ直ぐ進みカーブの手前に 
山へ続くコンクリート舗装の道があります。

看板等なく、分かりにくいのですが
この道を登ると「平井八王子神社」です。


        (平井八王子神社 拝殿)


鳥居をくぐって直ぐ、手水舎横の立て看板にも
佐吉狛犬について書かれています。


佐吉狛犬は拝殿裏 御本殿へ続く階段の途中にいます。


          






実際見て貰えると分かると思いますが
他の佐吉狛犬よりもかなり小さいです。
小さいながらも精密な彫りで、今にも動き出しそうなぐらいリアルです。
 

        (嘉永五子歳九月二日建)

年代的に現在見つかっている佐吉狛犬の中で 
最も初期の狛犬では無いかと言われています。 

こちらの狛犬には「作師照信」の刻は御座いませんが
佐吉の作で、ほぼ間違いないようです。
 

次に「五社神社」の佐吉狛犬です

五社神社へは
県道218号へ戻り、榛原方面へ
 キロほど直進した所に板金屋さんと 
沢城跡の立て看板がありますので、これを右折


分岐まで進み 
八滝方面へ



しばらく走ると
左手に「六柱神社」があります。


六柱神社には、佐吉の永世燈がありますので 
是非立ち寄って見てください 







向かって一番右側が、佐吉の永世燈です。

元の道に戻り
六柱神社を左手にっ直ぐ進み
トンネルを抜けると分岐が出てきます。


文祢麿呂墓方面へ進むと
すぐに五社神社が見えてきます。




五社神社の佐吉狛犬も
拝殿裏、御本殿へ続く階段の両脇にいます。










         (作師照信 花押)

この狛犬は少し荒い石質ですが
吽形の狛犬側に作師照信の刻を何とか確認できます。
こちらの狛犬も、他の佐吉狛犬より少々小ぶりです。
脱力感のある見た目ですが、どこか哀愁のある
可愛らしい狛犬ですので、是非会いに行って見てください。

 (各神社の所在地)
「平井八王子神社」奈良県宇陀市菟田野平井109
「六柱神社」奈良県宇陀市榛原澤
「五社神社」奈良県宇陀市榛原八滝1672

「丹波の佐吉」

2020-09-15 11:39:49 | 日記
皆様初めまして 
Daikon と申します。

まず、このブログを始めるに至った経緯を説明させて頂きます

元々趣味で神社仏閣お城巡りをして、御朱印を集めておりました。
そこから派生し狛犬を探して各地の神社を回るようになったのです。 

ある日、たまたま見つけた神社へ行くと 
とても美しいフォルムで精密な彫りの狛犬に出会いました。
奉納時期を見ると嘉永五年(1852年) 今から168年前に
造られた狛犬でした。

        (嘉永五子歳九月二日建)

てっきり最近の物だと思っていたので
とても驚きました。

この狛犬に惹かれ、調べて行くうちに 
幕末の名石工「丹波の佐吉」作だと分かりました。
佐吉について、更に調べると この地域に 
佐吉の石造物が集中している事が分かり 
丹波の佐吉の石造物を見に行くようになりました。

長くなりましたが、このブログは 
幕末の名石工「丹波の佐吉」の石造物の素晴らしさを
少しでも多くの方に知って頂こうと思い
初めさせて頂きました。

次記事より佐吉の石造物をご紹介させて頂きますので  
よろしくお願い致します。