時はあっという間に過ぎるね。
もう3月も終わりかぁ。
母が施設に入りその10年前から無人だった私の実家は、
とうとう取り壊され跡形も無い。 仕方がない、 築40年以
上経って老朽化が進み危険だったから。 認知症の母に今
さら言ってもどうもならないが、 もう少しこの家を大事にしと
ってくれたらなぁ・・・。
「家壊すんなら私のたっかい(高い)着物や宝石を取って来ない
かん。 勝手に捨てられたらたまったもんじゃない。」と、うるさく言
うので去年の10月頃から何度か母を実家に連れて行った。 だが
行くたんびに家の中の荒れ果てた様子を見て、 家具等に「あんた
達ごめんよぉ、 こんな嫁が来たばっかりにこんな事になって…こ
の家の財産を私が全部使ってしまって終わるんだ。 先祖様にほ
んとに申し訳ないわぁ。」と嘆き、 「もう帰ろうよ、 もう早く帰ろう。
早く行こう。」と言い出し、 何もせず帰って来た。 一応自分の金
遣いの荒さを自覚しとったんだって事は分かった。
結局、 母の着物はカビだらけで業者に見てもらったが枚数ばか
りで大した物は無く、 アクセサリー類は弟の嫁が発見してくれ本人
に渡して有るが、 「家壊して私の宝石どこやったの! 捨てたんか、
ひどい!」と、 母に会いに行き実家の話をする度言うので、 毎回
「ここに有るわ!」と見せるのが恒例になっている。
「栄枯盛衰」とか、 「夏草やつわものどもが夢の跡」等と言う言葉が
頭に浮かぶこの頃。 実家の写真を撮っては来たがしばらくは、 見る
気がしない。