あるところに、2匹の柴犬の兄妹がおりました。
兄柴はブサイクだけれど、心優しい柴犬だした。
妹柴は我儘だけれど、美しい柴犬だした。
2匹はたいそう仲がよく、
いつでも淀川で一緒に遊んでいました。
そんな、ある日・・・
おい、カニがおるでぇ~
これが、カニさんでちか?
ゲッ、柴犬!
カニさんって、おいしいでちか?
生で食べたらアカンがな。
クンクンクンクンクン・・・
あっ、近寄ったらあぶないで!
チョキチョキチョッキーン!
あ痛たた~!!
ほれ、みてみ~
ラニたん、痛かったでち~~~
カニさん、キライでち~
塩ゆでして、赤うなったらうまいんやけどな。
いぱにいたん、殺っつけるでち!
えぇぇ~~~殺生は苦手やでな。
いぱにいたん、倍返しでち!
ひょえ~~~
ま、ま、待って下さい柴犬さま、どうか許して下さい。
私には家に帰ると小さな弟妹ガニが、お腹を空かせて待っているんです。
私が帰らなければ、あの子達は飢え死にしてしまいます。
えぇぇぇ~、それはかわいそうやでな。
ラニ、どうする~~~?
仕方ないでちね、可哀想だから許してあげるでち。
でも、ラニたんの美貌に傷をつけたんだから、
許してあげるお礼に恩返しに来るでち。
はい、いつか必ず・・・
兄弟仲良く、達者で暮らせよ~~~
恩返し忘れないでちよ~~~
こうして、優しい柴犬兄妹はカニの恩返しを待って、
いつまでも仲良く暮らしましたとさ・・・
心温まるお話でしたね。
カニの恩返し、おしまい。
↑ 竜宮城に行けるように押してでち!