おばちゃんが
お料理を少し手抜きするために
お巻き寿司を一本買って来て
ハルの口が届かない所へ
置いたつもりでいました
食べることになると
ハルの知恵は
おばちゃんの頭では
想像できないくらい
働くのです
もちろん
こっそり全部食べてあげました
犯行の現場を見てしまったおっちゃんは
急いでおばちゃんを呼びました
残り香までなめ尽くしているハルを見て
おっちゃんの説明を聞くまでもなく
すべてを悟ったおばちゃんは
「なんてことをしたのぉ~!!」
と、怒りまくりでした
ハルは美味しい思いをしたので
思い残すことはありません
「殺すなら殺せ~っ!」
と、居直ってやりました
「欲しいなら欲しいと言ってくれれば
ハルにも一本買ってあげたのに
盗んでまで食べるとは
情けない・・・」
と、おばちゃん
「本当になぁ・・・」
と、おっちゃん
(ウソつけ)
〔追記〕
この事件があった時
すでにハルの夕ご飯は
出来上がっていました
「ハルはお巻き寿司を食べたから
今夜はそれが夕ご飯よ」
って、おばちゃんが言いました
おっちゃんは
「ハルはお皿をなめないと
一日が終わらないから
形だけでも食べさせては?」
と、言ってくれました
で、ほんの少しだけ
夕ご飯をもらって
お皿をアメナメして
ハルの一日は終わりました