彼是、ココに記。

あれやこれやの私事をぽつぽつと記します。

お前百までわしゃ九十九まで。

2023-04-14 10:19:11 | 日記

40年以上も前の話。

当時どこの家にも飾ってあった様々な人形や置物が、例に洩れず、私の実家にもあった。
その中のひとつ、年老いたおじいさんとおばあさんが対になったすべてが茶色の(せともの?)置物は、なんだか気になる存在だった。
ある時、母にこの人形についてたずねた。
そして「お前百までわしゃ九十九まで、ともに白髪の生えるまで。」という言葉を知った。
子供である自分には全然関係ないと思いながら、でもなぜか強烈な印象で、この言葉は私の心の中に残った。

50代になった今、夫も私も白髪が増えた。
百歳なんてまだまだなのに である。
夫は色の変化を自然に任せているのだが、私はまだその域には達しておらず、どうすればうまいこと白髪を隠せるかを真剣に考えている。
美容院から勧められたマスカラタイプのものを使って地道に作業することが多いのだが、前髪や分け目の根元は自分でなんとかするにしても、後ろの部分はかなり難ありである。

夫に後頭部の白髪隠しを頼んだ時の話。
「なんとか隠れる程度でいいから。ささっとお願いします。」
私の後ろに立って、細かくマスカラを動かし始めた夫。
‥‥‥なかなか終わらない。
「出掛ける時間になっちゃう 丁寧でなくていいから、ささっと!」
夫は鏡越しに困った顔を見せながら、きっぱりと言った。
「隠せる量ではないよ

これ以降、夫には後頭部の白髪が目立ってきたら教えてもらうことにして、髪全体を染めるタイミングを調整するようにしている。


白髪が出始めた40代前半頃から、実家にあったあの対の人形の姿を思い出すようになった。
実家もあの人形も、無くなってしまってから久しい


夫はパート勤務。

2023-04-13 13:03:00 | 日記

新年度が始まり、ほぼ半月が経った。

私は極小自営業を継続中。
夫はというと、3月末日で契約期間が満了した企業様での再雇用が決まり、現在もそちらで仕事を続けている。いわゆるパートタイマーで労働時間は週29時間以内、お給料の額に関しては言わずもがなの状況だ。
が、福利厚生がしっかりしているので、手取り金額が少なくても安心感がある。
夫婦2人の国保税&国民年金で、年間数十万円を支払わなければならなかった失業時とは、雲泥の差だ。生活の糧になるはずの失業給付金の半分以上は、様々な税金を支払うのに使わざるを得なかったのだ。

収入面での厳しさは否めないが、勤務形態にともなう時間的なゆとりが出来たおかげなのだろうか、夫は変わった。
自宅から見える山々に山桜が点在していることとか、昨秋にビオラのプランターに忍ばせておいたチューリップがバラバラ感満載で咲き始めたこと、夫はいろいろなことに目が向くようになった。
そして、今までは私の話を聞いて相槌を打つことが多かった夫が、最近は自ら話題を持ち出すことが増えた。
生き生きと話しをする夫を見るのは嬉しい。

実際のところ、夫は自分がパート勤務であることをネガティブにとらえているようだ。
パート勤務になったからこその利点もいっぱいあるのになぁ、と私は思っている


天地無用。

2023-04-02 17:03:38 | 日記

私の居住地は、店の数が少ない。
地元で購入出来ないものも多く、必然的にネットショッピングに頼らざるを得ない状況である。

ある日のこと、届いた荷物をそれとなく眺めていたら、箱の上部の【 天地無用 】の文字が気になった。
私の解釈だと「ひっくり返してもOK」なのだが、この時の購入商品は瓶だった。
おかしい・・・
広辞苑で調べてみた。
『運送する荷物の外装などに記す語で、この荷物を取り扱うのに、上下を逆にしてはいけないという意』
と書いてあった。
驚いたことに、私の解釈と真逆の意味だった。
今更だけど調べてみて良かった と心から思った。

夫に「ねぇねぇ、天地無用の意味って知ってる?」と聞いてみた。
「知ってるに決まってるでしょ 荷物を上下逆にしても大丈夫ってことだよ
夫は私の期待を裏切らなかった。
そして、本来の意味を教えると、言葉を失った。

50歳を過ぎてから初めて知ることがある。
思い込みは素直に「そっか」で上書きしていこう