11月23日(木・祝)に、東京国際フォーラムAでジュリーのライブが開催された。
チケットは6月末にゲット済み
当日の朝、東京に向かった。
夫の運転で2時間半、新幹線に乗って約2時間。
東京駅の丸の内南口を出て少し歩き、東京国際フォーラムに到着したのは17時頃だった。
会場に入り席に座ってステージ上に目をやると、ジュリーの赤い旗が凛とした姿でそこに居て時折ゆれているのが見え、今日のライブに参加できるんだ!という実感がわいた。
「無事に着いて本当に良かったねー」
夫も感慨深げだ。
18時を少しまわってからの約2時間、ジュリーの歌に酔いしれた。
総立ちの観客席は一曲ごとに動きを変え、私もそれにならった。
どの曲も最高に格好いいに決まっているのだが、「LUCKY/一生懸命」から「ROCK′N ROLL MARCH」の流れは凄すぎた。ジュリーの思いが歌声に乗ってぐいぐい迫って来て、圧倒された。目をつぶってこの時のジュリーの姿を思い浮かべようとするだけで、なんだかせつないような気分になるのだ。
ジュリーに満たされ、幸福感に包まれて、東京を後にした。
自宅に着いたのは夜中の2時半。
軽くシャワーを浴びてベッドに入った。
1時間後、左足がつって目が覚めた。
「痛ーい」私のSOSに驚いて目を覚ました夫が、すぐにふくらはぎを伸ばしてくれた。
その後は熟睡。
9時頃に起床すると、夫はすでに起きていて、朝ごはんの支度が整っていた。
「今日は休みとったんだから、もう少し寝てればよかったのに。」
と私が言うと、夫は苦笑いしながら答えた。
「俺もさ、足つったんだよね。なんとか一人で復活したけど」
両足ともつり、痛みに耐えながらストレッチをしているうちに、目が冴えてしまったとのことだった。
「車は一人に1台」の田舎に住んでいる私達。
電車やバスを利用しながら暮らせるような交通網は無いし、熊もよく出る。
という訳で、わざわざ歩きに行かない限り、何千歩も歩くことはほとんどない。
ジュリーのライブに行って帰ってきて「疲れた」なんて全然思っていなかったものの、身体は正直に、私達がいろいろ落ち着いた頃を見計らって悲鳴を上げたのだと思う。
ジュリーがよく「歩かないとダメ!」と言っていることを思い出した。
本当にその通り。
今度の休みには、どこかに歩きに行こう
昨日は文化の日。
ちょっとは文化に触れようと、本棚を見上げた。
私のエリアには、何度も何度も読み返している「いじわるばあさん」「天才バカボン」の漫画本と「コロボックルシリーズ」「ムーミンシリーズ」の文庫本、その他数冊。
夫のエリアには、いわゆる文学作品がずらーっと並んでいる。
よし!と気合を入れ、夫のエリアから一冊拝借した。
選んだのは、新潮文庫の梶井基次郎「檸(れもん)檬」(短編作品20編収録)。
学校の教科書に出てきた覚えがあるからという単純な理由で、まずは1作目の「檸檬」を読んでみることにした。
はるか遠い記憶をたどると、八百屋の暗い照明の中に鮮やかな黄色の檸檬・・・という絵が浮かんだ。
読み始めてみたら、いたるところに記憶違いを見つけた。
そして、文章だけで風景や心情をこんなに表現できるなんて本当にすごい!と感動した。
いつ頃の作品なんだろう?と思い、裏表紙をめくってみた。
「❜89(H1) 2 15 富士見」
右ページの下の部分に、鉛筆書きの見覚えのある夫の字を見つけた。
これ、なんだ?
夫に聞いたら、大学時代、本を購入したら、日付と購入した場所を書き入れることにしていたとのこと。
私が知らない、学生時代の細い夫を想像して、ちょっと嬉しい気持ちになった。
この6年後に私と出会うわけだ。
今、ふたりとも50代。光陰矢の如し