山中にある寺社にお参りするには山道を登ることになる。そのため、参道には目印となる標石が設置されたようだ。目的地までの距離が分かるように「丁石」と呼ばれる距離が示された標石が設置されている。「一丁」が現代のどの程度の距離なのか詳しくはないが、江戸時代は、一丁、一里などの単位を使って、36丁を一里としていたらしい。現在の測量技術をもちいて、街中に残されいる標石などを調べたと思われる距離では、一丁が現在の約109mらしい。江戸時代の一般の生活ぬは、そんなに正確な距離が必要だとも思えないので、ほとんど人の歩いた「歩数」を基準にしたものであろうと思う。山中の参道に示された丁石もそんな人の歩いた距離を基準にしているのだろうと思う。なぜなら、参道に置かれた丁石の目的は、現在の測量技術で正確に計ったような情報よりも、あとどのくらいで目的地に着くか、参道を歩いている人々への思いやりこそが、設置されている本当の意義だからである。(石造物の文字から8)

30秒の心象風景4355・集められた標石~広峰神社~
http://youtu.be/G6NH9abxLT4

30秒の心象風景4355・集められた標石~広峰神社~
http://youtu.be/G6NH9abxLT4