映像詩

デジタル映像による心の表現
(映像作品制作を通して感じたこと)

4558-山口誓子の句碑

2025年01月31日 | 30秒の心象風景

  稲穂舞と題された句が刻まれています。「早苗挿す 舞の仕草の 左手右手」 山口誓子は、明治34年(1901)年11月3日生まれで、平成6年(1994)年3月26日に没しています。誓子という俳号の由来は、本名の新比古(ちかひこ)から「ちかひこ→ちかいこ→誓い子」だそうです。 昭和初期に「ホトトギス」雑詠欄の新鋭として活躍し、阿波野青畝(せいほ)、水原秋桜子(しゅうおうし)、高野素十(すじゅうと)とともに「四S」の一人に数えられたようです。つい最近、壺阪寺で阿波野青畝の句碑に出会ったばかりで、古社や古刹では、文人の関わるものが多いのでしょう。阿波野 青畝「塔見えて 躑躅燃えたつ 山路かな」。句碑を巡るのも楽しいかもしれません。

 


 30秒の心象風景29965・句碑 稲穂舞~伏見稲荷~
https://youtu.be/hJ-Ufo44LPM

 

「平成15年壷阪寺開創1300年を迎えるにあたり、この宝塔の建立を発願し、多くの信徒の勧進により建立された。」とあります。 脇には、奈良県出身の俳人 阿波野 青畝(あわの せいほ)の句碑があります。「塔見えて 躑躅燃えたつ 山路かな」

 

30秒の心象風景29704・平成の多宝塔~壺阪寺~

https://youtu.be/aINbHt9IEaI

 

 


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4557-大人気の訳は

2025年01月30日 | 30秒の心象風景

 伏見稲荷大社を訪れるのは2度目です。今回もすごい人混みに紛れての参拝です。年中こんな状態が続いているのでしょうか。歴史に名を残した人物が色んなものを奉納していることでも知られます。彼らの狙いは何だったのでしょう。そして、今こうして訪れている人々の思いは何なんでしょう。「赤い鳥居と狐」はそのシンボルで、それさえあれば、誰もが稲荷社だと感じるのです。稲荷とは、どんな神様でしょう。ここに来てみても感じるのは、参拝者各個人が自由に自分の御利益を願っている神様で、稲荷様とは、それらを全て受け止めているように思えるのです。日本の神様だと思っていたのですが、日本の三大稲荷と呼ばれているのは、伏見以外に、笠間稲荷神社(茨城県笠間市)、豊川稲荷(愛知県豊川市)、祐徳稲荷神社(佐賀県鹿島市)、最上稲荷(岡山市)等があるようです。豊川稲荷は円福山豊川閣妙厳寺という曹洞宗の禅寺、最上稲荷も最上稲荷山妙教寺という日蓮宗の寺です。それぞれの縁起は様々でしょうが、一般にお参りする人にとっては寺院とか神社とかは、あまり関係ないのかもしれないのです。

 

 


30秒の心象風景29957・門前の狛狐~伏見稲荷~
https://youtu.be/DDapOKqnPCo


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4556-複線電化

2025年01月29日 | 30秒の心象風景

 JR奈良線に乗るのは久し振りです。かつては京都から奈良に向かうとき、近鉄の方が早くて便利でした。その頃のJR奈良線(国鉄時代かも)は単線で非電化というローカル色の強いもので、運行本数も多くなかったと思います。親戚の家を訪れるのに最寄り駅が六地蔵という駅で、降りてみると開発中の空き地が多い場所だったという記憶があります。かなりローカルで、近隣では宇治駅周辺だけが街だったような気がします。今回乗車したのは桃山駅で六地蔵の隣です。複線電化を終えた駅になっていて、221系の電車が入って来ました。完全に都市近郊の雰囲気です。ここから、伏見稲荷を目指して、稲荷駅まで乗車します。

 

 

30秒の心象風景29949・JR桃山駅~JR奈良線~
https://youtu.be/dsFpc9T0oXA


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4555-歴史上にはない城

2025年01月28日 | 30秒の心象風景

   伏見桃山城をweb上を検索すると模擬天守という紹介です。伏見桃山城という城は存在しなかったのかというと、歴史上では、戦国時代の豊臣秀吉や徳川家康の居城して、伏見城が登場します。しかし、その城を再現したものとはいえないからでしょう。場所も異なり、歴史的な考証に従っ再現されたものでも無いからでしょう。案内には、「かつて『伏見桃山城キャッスルランド』という遊園地がありました。模擬天守はその遊園地の中に建てられていたものなのです。」とありました。1964年(昭和39年)にオープンした施設ですが、2003年に閉園しています。模擬天守も解体される予定でしたが、地元の人々からの要望で残されることになり、今では京都市管理の「伏見桃山城運動公園」になっています。

 

 

30秒の心象風景29945・内部非公開~伏見桃山城~
https://youtu.be/zCZ6nAgzaKI


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4554-脇障子の世界

2025年01月27日 | 30秒の心象風景

  社殿建築には脇障子と呼ばれる部分があります。web上で見られる解説では、「回り縁の終端に設けられた、板の事を脇障子という。古いものには、羽目板に極彩色の花鳥を描いたものや、薄肉の彫刻を貼り付けたものがある。」というものがありました。多くの場合、脇障子には何らかの装飾が施されています。これまでに出会った社殿建築で、脇障子の印象が強かったものに、国指定重要文化財 天津神社本殿の脇障子があります。それには彩色された浮き彫り彫刻がはめ込まれていたのです。向かって右側には背景に鶴がいて、仙人のような人物が描かれています。そして、反対の左側には鎧を着け、武器と宝塔を持つ武人が岩に腰掛けたような姿で描かれていました。毘沙門天かと思われます。岩戸神社の脇障子は透かし彫りになっていますが、描かれているのは、左側は二人の仙人のような人物で、右側は、鎧を着け、武器を持つ武人のような姿です。

 

30秒の心象風景29892・脇障子の世界へ~岩戸神社~
https://youtu.be/0DaSZE0xAoQ

30秒の心象風景29937・本殿北側の脇障子~岩戸神社~
https://youtu.be/31n6IZIJW2A

 

 

30秒の心象風景18613・本殿脇障子の彫刻~リカちゃんの旅~

https://youtu.be/tufSGzArtKc

 

 


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4553-インバウンド

2025年01月26日 | 30秒の心象風景

 色んな場面で使われることが多くなった言葉、「インバウンド」。「外から中に入ってくる」「内向きの」という意味のことばのようですが、旅行業界では「外国人が日本に観光をしに来る」という意味で使われています。日本ではインバウンドがマーケティング用語としても使われることがあるようで、様々な意味を持つ言葉になっているようです。2024年末に訪れた東大寺南大門附近の人混みは「インバウンド」という表現になるのでしょう。

 

 


30秒の心象風景29926・外国語が響く参道~東大寺南大門~
https://youtu.be/Qyc_EfxOFfQ


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4552-寛政の狛犬

2025年01月25日 | 30秒の心象風景

  市川町の岩戸神社には、寛政八年の造立とわかる石像の狛犬があります。また、同じ市川町の小室八幡神社には、それよりもやや古い安永四年の狛犬があります。これらの狛犬には、明治時代以降のものとは異なり、それぞれ明確な個性が見られます。神社に置かれる石造狛犬も明治時代になると同じ工房で大量生産されたと思われる似た造形の狛犬が増えてくるのです。それに比べるとこれらの江戸時代の狛犬には、それぞれ異なる石工の個性が出ているのでしょう。小室八幡神社の狛犬も岩戸神社の狛犬も、どちらも抱えて運べそうなほどの大きさで、背の高い基壇に置かれたものでもありません。極めて身近に接することが可能な場所に奉られているのです。しかし、その造形は丁寧で、バランスがとれたものです。小室八幡神社の狛犬には、台座に半次郎という石工の名前と花押のような紋様が刻まれています。名の通った石工なのかもしれません。岩戸神社の狛犬では、台座にそのようなものが見当たらないですが、優れた技を持つ石工の手になるのは間違いないでしょう。

 

 30秒の心象風景29920・本殿脇の狛犬~岩戸神社~
https://youtu.be/g4NlGQSAw1A


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4551-霊獣の彫刻

2025年01月24日 | 30秒の心象風景

 神社の社殿や寺院の仏殿では、様々な彫刻が見られます。江戸時代になると、豊かで多彩な表現が増えてきます。原初の形を維持した古社にはないものが加わって来るのです。これは、神仏が習合した信仰の形から生み出されてきたものでしょう。八幡宮などは、天平時代から仏教と関わり、神仏が習合した形で取り込まれていったことが解る文化財が幾つもあります。仏殿を装飾した霊獣は社殿建築にも加えられるようになったのでしょう。獅子や龍はその代表で、仏殿はもとより社殿建築でも普通に見られます。多彩な彫刻群で知られる岩戸神社の本殿には、獅子や龍以外に、孔雀や麒麟と思われる像もあります。その表情も多彩で、建築の一部というより、独立した彫刻作品を楽しむような気持ちになります。

 

 

30秒の心象風景29910・角のある霊獣~岩戸神社~
https://youtu.be/P6gIhKRngUc


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4550-手水舎

2025年01月23日 | 30秒の心象風景

  奈良東大寺の二月堂は境内の最も奥の高い場所にあります。中心伽藍の大仏殿から東の坂を登っていった先の、山の斜面に建てられた懸造りと呼ばれる建築様式のお堂です。斜面に西向きに建ち、この回廊からは奈良市街が一望できます。東大寺では、最も眺めの良い場所といえます。観光客は大仏殿に次いで必ずお参りする仏堂でしょう。そして信仰の厚い場所でもあります。南側の石段を上って仏殿に向かうと大きな手水舎があります。そこには通常見られる石造の盥ではなく、青銅製の桶のような水槽があります。蓮の葉をデザインした形で、龍が巻き付くという豪華なものです。手水舎の建物の天井にも龍の彫刻があって、ここだけでもその人気ぶりを感じることができます。

 

 

30秒の心象風景29901・手水舎~東大寺二月堂~
https://youtu.be/sIXVRrgAaCU


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4549-見たことのない風景

2025年01月22日 | 30秒の心象風景

 石造鳥居の向こうに法華堂が見える風景。これは見たことのない風景です。観光案内やガイドブックにも載らない風景です。奈良を訪れる度に幾度も訪れている東大寺ですが、それは、南大門から大仏殿へと進み、そして二月堂の方へと上ってくる順路でのお参りです。そのとき、法華堂は側面から眺めることになります。そして、正堂と礼堂がつながった独特の構造の建物であることが解ります。多くの文化財を紹介する書籍に登場するのもこの方向からの写真です。そこに、礼堂を正面から写した写真が加わります。それらの写真の情報からでは気づかないのが、手向山八幡神社の存在です。実際には、法華堂のすぐ南に手向山八幡神社があるのです。今回の参拝は春日大社から北に進んで東大寺に向かう順路となったため、手向山八幡の北側の鳥居をくぐることになり、その向こうに法華堂があることを再認識することになったのです。

 

 


30秒の心象風景29897・北鳥居の向こう~手向山八幡宮~
https://youtu.be/IwdMRrqiuEM


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