アラビア語に興味があります。

 イランはペルシア語の国です。トルコはトルコ語で、現代トルコ語はローマ字で表記されます。

お酒の失敗、2件

2010年04月11日 01時27分27秒 | アラブ料理その他
 先月のカイロ滞在中に、お酒の失敗、2件。

 ひとつは、某有名安宿に住む知人訪問のときのこと。宿に入ったら、フロント前のソファー・セットに、日本人(全員知らない方々)がずらりと座っていて、その中のお一人が、
「夕御飯、食べてきはりました?」
お昼御飯が遅かったので、まだではありますが、と答えたところ、カレーが余っているので良かったらどうぞ、と、カレーを御馳走になれることに! 日本人宿泊客で集まって、カレーを食べていたところだったのだ。

 これはこれはと、知人への手土産に持って来た缶ビールの一部(3本)を、どうぞどうぞとテーブルに並べたら、宿の主人が血相を変えて、
「やめてくれ。こんなところが見つかったら、私は警察に捕まって、
 ホテルを閉鎖しなければいけなくなる!」

 どうも、室内で飲む分には構わないようだが、入り口で堂々と飲酒するのはまずいらしい。そこで、ビールだとわからないように、急いでコップに注いで、缶は調理場のゴミ箱に隠した(=廃棄)。

 そういえば、私の泊まる安宿でも、以前、宿で買った缶ビールを飲みながら、フロントのお兄さんとだべり始めたら、別の従業員さんに、
「フロントで飲むのはやめてくれ。飲むなら奥で」
と言われたことがある。条例か何か、あるのかもしれない。

 ちなみに、カレーは、日本からカレー・ルーを持って来た人がいて、それでカレー・パーティーにでもなったのかな、と思って食べてみたら、日本のルーとは全く違う味で、びっくりした。「料理長」と呼ばれる日本人旅行者が、スパイスを練るところから始めて作り上げた、チキンカレーだったのだ。とても美味しかったのに、徴収されたのは材料費、一人当たりわずか7ポンド(当時のレートで約117円)。他の日本人も、
「エジプトで店が開ける。この味なら、カネ取れるよ」
と、大絶賛。

 話がそれた。

 お酒の失敗の2つ目は、私の泊まっていた宿と同じ通りで、路上お茶屋さんを開いているマムドゥーハさん(参照:ここここ)のところで。

 その日、日本の友人たちへのお土産に、オベリスクというエジプト・ワインを買った私は、マムドゥーハさんに、またお茶をご馳走になっていたのだが、道行く猫に気を取られて腰を浮かしたところで、膝の上にのせてあったワインの瓶(新聞紙1枚で包んだだけで、黒い粗末なコンビニ袋入り)を、歩道の上に「ガッチャン!」と落としてしまった!

 マムドゥーハさんは、危ないから、その袋を歩道から下ろしておくようにと言い、次に、周囲に漂うアルコールの香りに気付いたようだ。
「عيب (エーブ、いけないこと)、عيب 」
と言いながら、水をじゃぶじゃぶと掛けて、アルコールを薄め始めた。

 そうだ、私は人のお店の店頭に、真昼間、アルコールをぶちまけてしまったのである。お世話になっているマムドゥーハさんに、本当に申し訳ないことをしたと思う。今度、エジプトに行くときには、ちゃんと写真をプリントして行くからね。

 なお、私のワインの割れた瓶(コンビニ袋入り)は、マムドゥーハさんの指示に従って、路上駐車してある自動車と歩道との間に放置してきたが、翌日見たら、消えていた。

アラビア半島でアラビア語が絶滅する?@ニューズウィーク

2010年03月12日 16時43分34秒 | アラビア語
 アラビア半島でアラビア語が絶滅する?(Is Arabic a Dying Language?)というショッキングなニュースがアップされていた。2010年3月9日付のニューズウィークの記事だ。

 「アラビア半島で」という見出しにぎょっとしたが、記事はアラブ首長国連邦(U.A.E.)限定の話。あそこは、非アラブの出稼ぎ労働者が多いので、アラビア語を解さない住民が多いのだ。

 いつだったか、ドバイ空港での待ち時間に、空港内のお土産屋さんでお買い物がしたくなり、銀行で少額のドルをディルハムに変えようとしたら、銀行員にまったくアラビア語が通じなかった。最初、こっちの発音や文法や単語が間違っているのかと思い、気を付けながら、両替したい旨繰り返したのだが、どうも様子がおかしい。しばらくして、やっと銀行員さんが、アラビア語を解さないことに気付き、

「空港で働く職員が、その国の言葉を理解できないなんて」

と驚いたものだった。

 記事によれば、U.A.E.大学で、アラビア語学文学の専攻課程に入った学生が、今年度は、たったの5人しかいなかったとのこと。さらに、上述のように、外国人が多いので、話される言語の第1位は英語、2位がヒンディー語(インドからの出稼ぎ労働者は多い。先程の銀行員もおそらくインド人)、3位がやっとアラビア語なのだそうだ。

 既に、U.A.E. やカタールでは、英語が共通語化しており、さらに恐ろしいことには、アメリカの大学の分校ができて、そこで英語による高等教育が行なわれているし、U.A.E.ででも、英語による授業が蔓延しつつあるとのこと。

 言葉は、その人の大事なアイデンティティのひとつ。アラブ人にはアラビア語を守ってほしい。これは、外国人の勝手な押し付けではなく、彼らにとっても、イスラームの信仰を守るための大切な手段のひとつであるはずだ。

 まあ、U.A.E.の場合は、出稼ぎ労働者、即ちアラビア語非母語話者を受け入れすぎたのが失敗のもとだったわけで、日本のように、単純に「21世紀は英語の時代です♪」などと言って浮かれているのとは事情が違うわけだが、逆に言えば、U.A.E.での言語の問題の根っこは太く長い。黒板に、「アラビア万歳!」と書いて、教室を後にしたい気分だ。

注文を聞いてくれるお兄さん@フェルフェラ

2010年03月11日 21時43分38秒 | アラブ料理その他
 この前、アラビア語専攻の後輩2名とともに、カイロの観光客向けレストランのフェルフェラに行ってきた。(はい、今エジプト。)アブー・シャクラは、焼き肉や鳩ぽっぽで定評のあるレストランだが、お酒がないので、こちらの勝手な都合で、フェルフェラに誘ったのである。

 メニューを持ってきてもらって、まあ、適当に頼んでいこうやということになり、とりあえず、麦酒。私はサッカラ、若人たちはステラ。お盆を持ったお兄さんを呼びとめ、注文を聞いてもらう。
「ステラ2本、サッカラ1本。
 レンズ豆スープと、野菜スープとカワーレア。
 ワラク・エナブと、サラタ・バラディ…」
お兄さんは、こちらを大きなお目目で見つめながら、
「うん、うん、うん」
と肯きつつ聞いてくれているのだが、全然メモを取らない。

 すっごい、覚えてしまうんだ! プロ!
 …でも注文を間違えないでね。

と思ったら、お兄さんは、ひょっと顔を上げて、言った。

「おーい、ここ。注文だって」

 文字通り、注文を聞いてくれただけのお兄さんだった。

2010年2月26日(金)は預言者生誕祭

2010年02月26日 03時52分46秒 | イスラーム
 Facebook を見に行ったら、やはり、2010年2月26日(金)が預言者生誕祭のようで、さらに、コメント欄にも、チュニジアの生誕祭の情報をいただきました。謝謝。

كل عام وأنتم بخير


 預言者生誕祭の言い方に、مولد النبي (=預言者のお誕生日)のほか、المولد النبوي (=預言者的お誕生日)の2つがあって、どう違うのか、カイロに住むイスラーム教徒の女友達に尋ねたところ、前者が口語的で、後者は正則アラビア語の言い回しだと教えてくれました。どおりで、エジプトにいると(一昨年去年とは、預言者生誕祭をエジプトで迎えました)、「ムーリデン・ナビ مولد النبي」しか聞きませんね。

 見てみたら、おととしの預言者生誕祭は、シナイ半島旅行に行っていたんですね。写真をアップするなどと書いておきながら、結局、それっきりになっていますね、すみません…!

預言者生誕祭が金曜日?

2010年02月25日 01時38分57秒 | イスラーム
 「佐川信子のイスラム暦付きカレンダー2010」が送られてきた。ありがたや。(そのうち写真をアップしようと思う。)
 1部開封して中を見てみたら、今度の金曜日(明日!)が「預言者誕生日」となっている。計算上、この日になるはずなのだろうが、実際のところはどうだろう。アラブ イスラーム学院とか、イスラミック・センター・ジャパンとかのウェブサイトを見たが、告知なし。在エジプト日本大使館の休館日を見ても、預言者生誕祭の記載なし。
 預言者のお誕生祝いというのが、イスラームの建前から言えば間違いなのだが、祝いたくなる心理もわかる。
 ともあれ、金曜日なのかずれるのか、どこかで調べてみよう。アラブの国の新聞社のサイトがいいかも。

『ハビビな人々』

2010年02月21日 18時57分45秒 | アラブ文化など
 偶然、本の広告を目にした。

  中山茂大(なかやま しげお)著
  『ハビビ حبيبى な人々――アジア、イスラムの「お金がなくても人生を楽しむ」方法』 文藝春秋社

 ハビビではなくハビービー、さらにアラビア語の最後の文字の下に、点々2つが付けば尚宜しい。

 広告文句は、
「インド、エジプト、イラン、モロッコ、シリア……。
 広~い世界をゆっくり回って見つけた
 ハッピー・ライフの数々!」

 ハビービー(私の恋人m.sg)という表現は、イラン(ペルシア語圏)やインドでも使われているのか。特段買いたいとは思わないが、ご興味のある方はどうぞ。椎名誠氏絶賛だそうだ。

ブルジュ・ハリーファ@ドバイ

2010年02月21日 05時34分45秒 | アラブ・中東の現地の話
 実は、春休みにエミレーツ航空でエジプトに行く予定。折角、エミレーツなので、ストップ・オーバーして、ドバイを見て回ることにした。

 もちろん、かの7つ星ホテル、ブルジュ・アル=アラブ(ブルジュ burj برج は「塔、タワー」の意)に泊まるような贅沢はできないが、予約したホテルも眺めは良さそうだ。ドバイ・アメリカン大学からちょっと離れているのに予約後に気付いたが、何とかなるだろう。(ドバイ・アメリカン大学は、ハード・ロック・カフェの隣だそうだ…ううむ。)

 ところで、私はすっかり、ブルジュ・アル=アラブとブルジュ・ドバイを混同していたのだが、前者がホテルで、後者はオフィスや居住スペースのある高層ビル。目下、世界一の高層ビルであるブルジュ・ドバイは、今年に入って、花火をぼんぼん打ち上げて、豪華絢爛たる落成式が行われたが、もう不具合が生じた模様。

 AFPの報道によると、まず、「ブルジュ・ドバイ」の名称が、アラブ首長国連邦大統領、ハリーファ・ビン・ザーイド・ビン・スルターン・アール・ナヒヤーン氏(خليفة بن زايد بن سلطان آل نهيان Khalifa bin Zayed bin Sultan Al Nahyan)の名にちなんで、早々に「ブルジュ・ハリーファ」の方が正式名称になり、「ブルジュ・ドバイ」はただの通称に。

  #以前、読解の授業で、ナヒヤーン大統領を、首長と訳してしまった。大失敗!
  #授業にいらしていた皆さま、申し訳ございません。敬称が شيخ だったので、
  #まさか大統領とは思わなかった私のミス。ちなみに、ドバイの首長は、
  #ムハンマド・ビン・ラーシド・アール・マクトゥーム(محمد بن راشد آل مكتوم)氏。

 2010年02月09日AFPの記事によると、ブルジュ・ハリーファの124階にある展望台 At the Top が、混雑と送電システムの問題のため、修理点検をするので閉鎖。落成式からわずか1カ月で、これ。展望台の再開時期は未定とのこと。

 来月の修理完了を期待しては、いけないかもしれない…。

「クルアーン 日本ムスリム協会訳」

2010年02月21日 04時09分26秒 | イスラーム
 また、ウェブ上コーラン(アル=クルアーン)発見。日本ムスリム協会の『日亜対訳聖クルアーン』の日本語部分が参照できる
「クルアーン 日本ムスリム協会訳」:
http://www.geocities.jp/theeguu/quran/index.htm

 同志社大学の四戸潤弥先生のサイトの一部。日本語のテキストだけのシンプルなサイトで、検索機能等はなし。

大川周明『文語訳 古蘭(コーラン)』上下両巻

2010年02月21日 03時50分37秒 | イスラーム

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 大川周明の『古蘭』が、昨年末に再版されていたことを、アラビア語科の後輩から教えてもらったので、さっそく購入。上下2巻。これまでは、現行のコーラン(アル=クルアーン)の邦訳は、岩波文庫の井筒訳、中公クラシックスの藤本他訳、日本ムスリム協会の『日亜対訳聖クルアーン』の3種を押さえていれば良かったが、そこにいきなり大川周明 訳・註釈『文語訳 古蘭(コーラン)』(書肆心水)参戦。

 しかし、いかんせん文語訳である。さっそく開いてみたが、私の日本語力では読めないかもしれない。(日本語だけはネイティブ並みのレベルに達しているつもりだったが、最近、その自信が崩れる事件が続いている。)ともかく、「第一 開経章」を見てみる。

大悲者・大慈者アラーの名によりて
ラーを讃へよ、そは三界の王…


「三界の王」、رب العالمين (直訳:複数の世界の主)である。確かに3つ以上は複数形になるので、「三界」と解釈することもできる。大川氏の註釈によれば、
 「三界の原語は『諸世界 cÁlamín』なるが、此処にては天使・幽鬼・人間を総称せるものとせらるるが故に三界と訳したり。」

 「三界」を、現世と、来世の天国と地獄と思った私は馬鹿だろうか。しかし、天使は天国にいそうだし、幽鬼はシャイターン(サタン)だとすれば地獄にいる、人間は目下、現世で暮らしているかお墓に入っているので、あながち、的外れな解釈ではないような気がするのだが…しかし、自信なし。

 大川氏は、精神異常で、東京裁判で裁判から除外され、精神病院送りとなり、入院中にこの訳・註釈を仕上げたという。このあたりを含めた、日本におけるコーラン(アル=クルアーン)の邦訳の歴史については、大川玲子著『聖典「クルアーン」の思想――イスラームの世界観』に1章が割かれている。なかなか興味深い論考なので、おすすめ。

クルアーン(コーラン)のアラビア語コーパス

2010年02月20日 13時10分02秒 | アラブ関係URL
The Quranic Arabic Corpus
http://corpus.quran.com/

 ウェブ上にもいろいろクルアーン(コーラン)のサイトがありますが、上記コーパスには、こんなのもあったりして、なかなか、感動的です。

エジプト観光@アラビア語版ウィキペディア

2010年02月19日 07時34分22秒 | アラブ関係URL
 السياحة في مصر 写真もきれいですよ。

ヒジュラ暦(イスラーム暦)カレンダー

2010年02月18日 07時04分02秒 | イスラーム
 先日、新大久保駅からすぐのところにある、サハラという、チュニジア&モロッコ料理店に行く機会がありました。帰りに、
「新大久保駅の近くに、ハラール・ショップ(イスラーム教徒の食べられる食品を売るお店)がある」
ということで、皆でぞろぞろと2軒、覗いてみました。
 そのうち1軒で、イスラミック・センター・ジャパンのヒジュラ暦(イスラーム暦)カレンダーを、どさっと置いてあったので、ありがたく頂いてきました。

 さて、さっきたまたま知ったのですが、もっと麗しいヒジュラ暦カレンダーがありました。
 エリコ通信社から出版されたもので、佐川信子先生という、アラビア語カリグラフィー(とアラビア語)の先生が「植物装飾クーフィー体」なる字体で書かれた書道作品をを使用した、麗しいイスラムカレンダーだそうです。もう年が明けてしまったので、割引で1部1000円、ただし半分は、日本イラク医療支援ネットワークへの寄付金です。お申込みは、こちらへ。

ツタンカーメンの死因等

2010年02月17日 19時07分36秒 | アラブ・中東の現地の話
 アラビア語の話ではないが、エジプトの話。

 ロイター電によると、ツタンカーメン(توت عنخ آمون)は、転倒か何かによる骨折にマラリアが重なって死んだ可能性が高い、という分析結果が出たとのこと。高校の世界史で、後頭部に傷があり、撲殺された可能性が高いような話を聞いた気がするが、実際、病死説以外に、他殺説も強かったらしい。

 エジプトやドイツの専門家チームが、ツタンカーメンを含む王族のミイラ16体を調べたそうで、ツタンカーメン以外にも3名が、マラリアで重体だったようだ。

 さらに、ツタンカーメンは、足首からつま先にかけての部分が内側にそれてしまい、骨も痛くて、エジプト考古最高評議会ザヒ・ハワス事務局長は、
「ツタンカーメンは、若いが杖をついて歩く虚弱な王だったのかもしれない」
と述べたそうだ。

NHKアラビア語講座

2010年02月17日 14時04分55秒 | アラビア語
 来年度NHK語学番組の紹介(PDF)の18頁によると、『テレビでアラビア語』は、やはり今年度の再放送。
 ラジオは、前半は、現在放送中のエジプト方言講座を再放送。後期は、アラビア語講座黎明期2003年の木下宗篤講師の番組を再放送。

アラビア語の文法(中級編)

2010年02月17日 13時48分25秒 | アラブ関係URL
 ご自身もアラビア語基礎文法の「アラビア語の法則」というサイトを開いていらっしゃる先生が、「アラビア語の文法(中級編) 」というサイトのことを教えてくださいました。これだけでも、かなり充実した内容ですが、さらに、上級編の計画もあるようです。