おどるなつこ 「あしおとがきこえる?」

タップダンサー・振付家おどるなつこの日常から浮かびあがることばを束縛せず書きとめています。2005年開設。

空も海もつながっている/空と身体③断崖絶壁

2020-03-12 | あしもとからの思索
毎年の3.11に思い出すのは、ある意味この世が終わる恐怖と、目の前の日常をいつも通りに保とうとする気持ちの間で揺れて、思考の軸を探ったことだ。2011年当時のブログ

原発事故の情報が気にかかり、とことん水をためた。テレビがなかったのが幸いして、報道ではなく、オーストリア気象台が出していた、雲の動きと放射性物質の移動予測などを見て、雨に当たらないよう気をつけ、当時開放していた平屋の庭であそぶ子どもたちに室内遊びを誘ったりした。そのような懸念は"気にし過ぎ"と揶揄されたが、数年後に雲の通り道や、降下した放射性物質の値など、全て事実だったことが明かされた。

11月の南相馬

その秋に訪れた福島県内では、あちこちに除染作業ボランティア募集の貼り紙があって、できなくなった農業のかわりに、住人が除染作業に従事していた。最近、当時の福島で安全講演をされていた医師の裁判があり、専門家の嘘の多くが明らかになったが、9年の時間は戻らない。
帰り道の新幹線で隣り合わせた方は東京の親類に身を寄せる道中だった。
南相馬から避難せざるをえなかった人の素直なことば
今もまた、何が事実かわからないまま、暮らしの制限だけが求められている。

雑草だらけの田んぼと収穫されない柿

おどることで思考はクリアになるので、ひとりでもそれを行うこと。
それらは、9年前のあの日から、何かさまざまな面倒が起きた時に、次の一歩を探す方法でもある。

空と身体③断崖絶壁 私的即興/おどるなつこ Body in the sky 3 “cliff” ODORUNATSUKO improvised

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