おどるなつこ 「あしおとがきこえる?」

タップダンサー・振付家おどるなつこの日常から浮かびあがることばを束縛せず書きとめています。2005年開設。

身体と学び・互換性のある法則

2020-07-04 | 稽古日記
昨日の夜中、ドカンとなんだか音がして、地震か事故かなんだろう?ーと思っていたのだが、なんと火球の落下があったそう。流れ星の大きなものなのだろうか?
鶴岡八幡宮の大銀杏が突然倒れたのも深夜だった。あんなにぶっとい御神木がひとりでに倒れたんである。ご近所の方はさぞ驚かれただろう。今夜も土砂降り。世界は謎に満ちているが、自分という世界も謎だらけだ。

今日はまたリアルワークショップ。生身の身体とのセッションはやはり楽しい。
其々が自らの身体を知ろうとするときは、身体の中に宇宙が生まれるときだ。まさか、身体というものが、こんなに茫洋と広がっている宇宙とは気づかなかったでしょう?身体って、ダンスに限らず、本当に探索のしがいのあるものです!


私はいろいろと独学なのだけれど、クラシックバレエを2回やり直したことは、本当に糧になっている。18歳、門戸を開かれ、全ての基礎のやり直しのチャンスを与えていただいた。18歳って、バレエ基礎をやり直すにはもうおそいけれど、素晴らしい先生方と出会って、小さなことを毎日毎日、すべてやりなおした。やっと基礎を手に入れ、おどりに展開できそうになってきた21歳で私はバレエを離れたが、あのキツかった3年間が私の礎となっている。
筋肉は、習慣的な優先順位に従って動きやすく、つまり長年の癖は治しにくいものであるが、それすらも変えることのできる教授法はあり、また、身体とは無限に可塑性のある素材だと実感した。持って生まれたものがすべてでもなく、むしろ意志がすべてだ。身体には宇宙のベクトルが働いていて、無限にのびしろがある。

それから15年後になるのか、改めてバレエをやり直すことにした。大道芸でタップをおどっていた私がなぜ改めてレッスンに通ったのか。きっかけはいろいろあったのだが、明確なメソッドをもう一度身体で味わいたかったのではないかな。
この時も超キツかった。今度はメンタルではなくリアルボディがキツかった。けれど、ここからの10数年、客観的な稽古をしなおしたことで、私には宇宙のベクトルと身体の関係が、以前よりぐっと腑に落ちた。まだまだ、癖はいくつもあって、それらが純粋な重力や働きあいをじゃまする。そんなこと全てが、毎日のタップ奏法にも反映されていった。

基礎にはバレエをやろう!ということではないのです。
何かひとつのことをずーっと探究していくと、おそらく、互換性のある仕組みにたどり着く。それはきっと、夢中になれることならなんでもいい!

その時々、行き当たりばったりに積み重ねてみえるかもしれないけれど、ここへきてどれもちゃんとつながってきた。
探求できる対象ってそんなにいろいろ出てこないだろうから、私は身体を探究することを日々の中心にできて、本当にしあわせだな。

今、私はまたあらたな学びの機会を得ている。
全然違うジャンルの本や資料を次々読んでいるのだが、ジャンルは違えど結局どれも「人」の話なので、身体を思い浮かべるとすっと理解できる。
個人って、まず、この身体から始まるものね。
日々のダンスと同じ地平にある。



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