うちの近所にはたった一軒のコンビニ以外に駅までお店がない。そして、そのたった一軒のコンビニには、人だけでなく、猫もあつまってくる。何かあげたくて、お客さんは余計にチーズなどを買って、猫にあげていく。猫界でも噂が広まるようで、出産後のママ猫が子どもを率いてくる。
ただのコンビニのようでいて、近隣の温泉顔負けの癒しスポットとなっている。
ここでは、仔猫の集まる時期には捕獲して里親を募る。ママ猫も承知しているのかはわからない。
これまで何度かそんな景色を横目に見ていたのだが、とうとう娘が誘惑に負けて、仔猫を預かってきた。先住猫とうまくいくか、ひとまず預かると。
オス猫王子はご機嫌ななめ。
ところが、仔猫の鳴き声というのは近所の猫にも届くようで、今日はうちの周りを他の猫がいつになくうろうろして様子を見にくる。オス猫王子は、そちらも牽制しなくてはならない。
疲れて寛ぐのはタップを踏む足元。
振動とか、どうなの?
部屋に仔猫がいるので、オス猫王子は今日は稽古場と廊下でしか寛げないようだ。
それで、私たちみんな、なぜか廊下にいる。廊下は台所でもある。
夜になって、やっと慣れてきた仔猫は、元気倍増だがもう声が枯れている。
しかし、安心はしたようで、さかんに私の膝の裏やお尻や肘の間をモミモミして掘る。おっぱいを探しているようだけど、そんなところにはないよー。
仲良くなれるかな。