おどるなつこ 「あしおとがきこえる?」

タップダンサー・振付家おどるなつこの日常から浮かびあがることばを束縛せず書きとめています。2005年開設。

野草の作法と多様性

2020-05-17 | あしもとからの思索
昨年枯れた花を裏庭になげておいたら、発芽して花をつけてくれたレンゲ。道端で見つけてわー久しぶりに見た!と思わず摘んだのだけど、こんなに簡単に根付いてくれで嬉しいな。調べてみたらレンゲとは少し違い、ムラサキツメクサ=赤クローバーでした。いずれにせよ、豆科で土壌改良になる野草で、お花には蜜があって酵母ジュースになります。

私は野草の生態を眺めるのが趣味のひとつ。
野草にも周期があって、毎年少しづつ交代していくのですが、どうもこれは、土の状態の変化によるようです。雑草として抜かれがちな彼らですが、深く根を張って土を耕すものなど、何か土壌に必要があって役割を得ているかのようです。

越してきた時には全面ブロックで覆われて、草ひとつなく、水も吸わない死んだ地面だった裏庭が、野菜クズを埋め続けて半年で草が生え始め、1年半で見違えるようなフカフカの土になっています。植物の力って偉大だなー。

私がぼんやり裏庭を眺めていると、猫もじーっと地面を見ています。猫が見ているのは穴に入っていくアリの列。虫にも役割があるんだろうな。

野草は生命力が強くて、一株植えておけば簡単にふえていく。地面が無駄に乾かないように地表を覆うハコベタイプのものや、バッタたちの住処になる背の高い草。そういえば先日子カマキリがビッシリ網戸に張り付いていました。みな無事に野に散った様子。

草も虫も、同じ種類のものばかり集まったら密度は高まり風も通さないけれど、多様なものが混在していればあまり密度の問題を感じない。おそらく必要な要素も少しづつ違うのだろう、存分に生きるための栄養の取り合いにもならないように見える。これが自然界の作法なんだな。

雑草を敵のように嫌い、根っから抜きとる人もいるけれど、私は勢いよく育つのを楽しく眺め、ドクダミなどは繁茂したら手折ってお茶にする。背高泡立草などピークを過ぎたものも抜かずに根元で刈る。根っこには様々な栄養があつまっているし、地面にとっては水や空気の通り道だ。
地表の風通しと地中の水脈の通り道は同じなのだそう。草刈りによって水脈はコントロールできると、以前矢野さんの大地の再生講座で学んだことがあり、草刈り原則はおおむね理解した。

多様性ってこういうことではないだろうか。
何かの種類だけが得をしない。ひとりじめしない。
植物には敵なんか、いないだろうと思う。



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