蓮出汚泥

「衆生病めば則ち菩薩も病み、衆生の病い愈ゆれば菩薩もまた愈ゆ」

コロンブスと女神崇拝 その②

2020-10-12 23:23:59 | ビジネス

さて、筆者がサンフランシスコのコイトタワーに登った折、その中の壁画にもメーソンの象徴的なシンボルを多く目撃した。

塔の上から見下ろすサンフランシスコの街はニューヨークや京都同様碁盤の目状に整備されているのだが、碁盤の目に沿ったヴァンネス通りを底辺としてフォートメイソンを左の頂点、サンフランシスコシティホールを右の頂点として三つ目の頂点トランスアメリカピラミッドを目掛けて斜めに突っ切る通り(二辺)がある。

一本はマーケット通り、もう一本はコロンブス通りである。

トランスアメリカピラミッドを頂きとしてに碁盤の目の中に三角形が浮かび上がるのである。

これぞメーソン(石工集団)の成せる業である。



彼らの存在を体感しつつ、コイトタワー近くのイタリア人街ノースビーチへ。

そこにある巨大なカトリック教会に吸い込まれ、ここであるパンフレットを手に取った。

マリア像の写真の美しさに惹かれたのだが、帰宅して内容を確認すると、そのマリア像はファティマの聖母でファティマの予言について書かれていた。

第三の予言については謎のままとされているが、「世界の平和を望むのであれば罪を悔い改めよ」という内容である。

人々の罪穢れが天変地異を招くという教えは神道や仏教にもある。

さて、今回の大統領選は、ある意味中絶の賛否がアメリカ国民全員に委ねられた状態ともいえる。

コロンブス騎士団が反対する根源的な理由は、マリア崇拝からであろう。

この国は女神崇拝のテンプル騎士団によってつくられた自由の女神の国でもある。

米中関の緊張が高まる中、果たしてどのような未来が訪れるのだろうかーー。

トランプ大統領の名前のトランプというと日本ではカードゲームのトランプを連想される方が多いかもしれないが、これは和製英語であってカードゲームのトランプは英語では”playing cards”という。

Trumpの本来の意味は「切り札」である。

筆者はどういう訳かイギリス在住時に“Templar”“33”がつくエリアに住んでいたのだが、同じエリアにメーソン関連の資料やカードコレクターでディーラーの紳士がお住まいだった。

面識はなかったが、彼はマスターとして関連書籍も出版される程の方だったようだ。

タロットカードやトランプの起源は諸説あるが、筆者はメーソンが起源ではないかと推察する。

ちなみに、トランプ大統領が誕生した直後に出版されたエコノミスト誌の「2017年はこうなるシリーズ」の表紙はタロットカードがモチーフとなっており、「審判」のカードには地球に跨るトランプ大統領が、その隣の「塔」のカードには火を噴く塔を隔てて向かって左に共産主義の赤い旗、右に十字架が描かれていた。

本来の「審判」のカードの中心に大きく描かれているのは赤い正十字の旗のついたラッパを吹く大天使ガブリエルであるところが興味深い。

ガブリエルは聖母マリアへの受胎告知や最後の審判で現れる天使であることも忘れてはならない。





コロンブスと女神崇拝 その①

2020-10-12 21:54:00 | ビジネス

本日アメリカはコロンブスデーの祝日。

この日を前に、このところ矢鱈とコロンブスというキーワードを目にしその存在が気になっていた。

先週末、偶然立ち寄ったコネチカット州のニューヘブンという街で一際目を引くビルに遭遇し、その存在が気になり表札に目をやると”The Knights of Columbus”と記されていた。

耳慣れない名称であったので一体どういった企業・団体かと調べてみると、ローマカトリック系の団体・結社の本拠地でメンバーには政治家や裁判官、弁護士も居るようだ。

フリーメーソンとローマカトリックは相容れない関係性であると言われるが、フランスの某カトリック教会でメーソンのシンボル入りのレターを目にしたこともあり、実際のところはよくわからない。

人口の7割がカトリック教徒であるフランス、イギリス国教会やピューリタン派、プレビステリアン派、カトリックなどキリスト教といっても様々な宗派に分かれるイギリス、さらにイギリス国教会の一部であった米国聖公会の信者が歴代大統領の1/4を占めるアメリカ…といった具合に、国によってその位置づけや関係性、社会的・政治的影響力は異なるだろう。

日本に居ながらプロテスタントとカトリック両方の環境に身を置いた経験があり、アメリカ・イギリスの在住経験を経てどういう訳かここ数年は密教や神道を個人的に研究している筆者であっても理解しきれない部分がある。

だからこそ見出せる部分や気付きも大いにあるのだが。

何事も、その場所に身を置いてみなければわからないことがある。

だからこそ公の場で宗教や結社について不用意な言及は避けたいのだが、世界の宗教・歴史を理解せずして国際政治を理解することは出来ないと考えているため、現在わかっていることとこの地で起きている出来事をファクトとして記しておくことにする。

まず、このアメリカという国の建国に於いてフリーメーソンとの関係は切り離せない。

日本では陰謀論が目につくが、この国を歩いていればメーソンのシンボルは至る所で目にするし、独立戦争所縁の博物館などへ行けばそこかしこに出てくる。

さて、表題のコロンブスの話に戻るが、The Knights of Columbus(コロンブス騎士団)の名称の由来はイタリア生まれのクリストファー・コロンブスであり、コロンブスはアメリカ大陸を最初に発見した人物とされている。

しかし、実際にはそれより前にヘンリー・シンクレア率いるテンプル騎士団が上陸しており、クリストファー・コロンブスもその一員で乗っていた船の帆の十字もテンプル騎士団を表しているとの説がある。

いずれにせよコロンブスはアメリカに於いて象徴的な存在であり、サンフランシスコのコイトタワーの前やニューヨークのコロンバスサークルの中心、ワシントンDCのユニオン駅前など、全米各主要都市にコロンブス像が据えられている。

しかし2020年大統領選を目前に、その像が「奴隷支配の歴史の象徴」として各地で破壊されている。

そうかと思えば、数日前のペンス副大統領とハリス上院議員の討論会の中で、ペンス副大統領の口から“The Knights of Columbus”というワードが発せられた。

選挙戦の争点でもある最高裁判事の人事について意見が交わされる中でのことだ。

更にトランプ大統領も自身のSNSThe Knights of Columbusを執拗に攻撃するハリス氏を批判し始めた。(The Knights of Columbusのローマカトリックの戒律では中絶も婚前交渉も離婚も禁じられており、反対派の立場である)

その本拠地であるビルを見た直後のことであったのでこれには驚いた。

そのビルの何が特徴的かといえば、四隅に聳える極太の円柱である。

コロンブスのコロンは柱の意味であることから、柱を強調しているものと思われる。

柱といえば、日本の神道に於いても三柱鳥居や御柱祭など柱が重視され、出雲大社や宇佐神宮に至っては四柱の神に則り参拝の際は四拍手といわれる。

モーツァルトのオペラ『魔笛』はフリーメーソンのシンボルのオンパレードだが、去年鑑賞した舞台でも柱が登場した。

メーソンや古代ユダヤ、神社との関連性を書き始めるとキリがないのでここでは控えるが、古代史研究の世界でこれらに関連性があることは有名な話である。


(つづく)