さて、筆者がサンフランシスコのコイトタワーに登った折、その中の壁画にもメーソンの象徴的なシンボルを多く目撃した。
塔の上から見下ろすサンフランシスコの街はニューヨークや京都同様碁盤の目状に整備されているのだが、碁盤の目に沿ったヴァンネス通りを底辺としてフォートメイソンを左の頂点、サンフランシスコシティホールを右の頂点として三つ目の頂点トランスアメリカピラミッドを目掛けて斜めに突っ切る通り(二辺)がある。
一本はマーケット通り、もう一本はコロンブス通りである。
トランスアメリカピラミッドを頂きとしてに碁盤の目の中に三角形が浮かび上がるのである。
これぞメーソン(石工集団)の成せる業である。
彼らの存在を体感しつつ、コイトタワー近くのイタリア人街ノースビーチへ。
そこにある巨大なカトリック教会に吸い込まれ、ここであるパンフレットを手に取った。
マリア像の写真の美しさに惹かれたのだが、帰宅して内容を確認すると、そのマリア像はファティマの聖母でファティマの予言について書かれていた。
第三の予言については謎のままとされているが、「世界の平和を望むのであれば罪を悔い改めよ」という内容である。
人々の罪穢れが天変地異を招くという教えは神道や仏教にもある。
さて、今回の大統領選は、ある意味中絶の賛否がアメリカ国民全員に委ねられた状態ともいえる。
コロンブス騎士団が反対する根源的な理由は、マリア崇拝からであろう。
この国は女神崇拝のテンプル騎士団によってつくられた自由の女神の国でもある。
米中関の緊張が高まる中、果たしてどのような未来が訪れるのだろうかーー。
トランプ大統領の名前のトランプというと日本ではカードゲームのトランプを連想される方が多いかもしれないが、これは和製英語であってカードゲームのトランプは英語では”playing cards”という。
Trumpの本来の意味は「切り札」である。
筆者はどういう訳かイギリス在住時に“Templar”と“33”がつくエリアに住んでいたのだが、同じエリアにメーソン関連の資料やカードコレクターでディーラーの紳士がお住まいだった。
面識はなかったが、彼はマスターとして関連書籍も出版される程の方だったようだ。
タロットカードやトランプの起源は諸説あるが、筆者はメーソンが起源ではないかと推察する。
ちなみに、トランプ大統領が誕生した直後に出版されたエコノミスト誌の「2017年はこうなるシリーズ」の表紙はタロットカードがモチーフとなっており、「審判」のカードには地球に跨るトランプ大統領が、その隣の「塔」のカードには火を噴く塔を隔てて向かって左に共産主義の赤い旗、右に十字架が描かれていた。
本来の「審判」のカードの中心に大きく描かれているのは赤い正十字の旗のついたラッパを吹く大天使ガブリエルであるところが興味深い。
ガブリエルは聖母マリアへの受胎告知や最後の審判で現れる天使であることも忘れてはならない。