現場トークショーのジェシカ（少女時代）から
From Jessica (Girls' Generation) on the on-site talk show
ブロンドの長い髪を後ろで束ね、ハイヒール姿で女の子が歩道を歩いてくる。ピンクのシャツに黒のパンツをはいている。彼女は立ち止まり、日差しのさしてくる方角に向かって立つ。通りはひっきりなしに車が行き交う。
横断歩道のある場所ではない。
誰かやってくるのを待っているのか。
対向６車線の五輪通りを一台のタクシーが走っている。
その車には現場トークショー担当の男女二人が乗っている。
男性ＭＣは嬉しさで興奮している。
「とうとうその人に会える。今日は僕の一番好きな方がゲストで来てくれるんです」
「張り切ってるのは女性だからね。だから嬉しい？」
と女性ＭＣ。
「当然。その方は普通の女性じゃないんです」
「だけど、彼女を知れば知るほど、嫌いになるかもよ」
「どうして？」
「質問に答えないとかして怖いそうよ」
「ほんとに？」
「しかも整理整頓がまるでできなくて、部屋は散らかり放題でただ汚い」
「う～ん、それはありえる」
「それでもいいの？」
「何のそのです。好きなのは彼女が韓国を代表するスターだから大丈夫です」
「いいえ、私は心配です。口数もずいぶん少ない方のようだから」
「ですから、今日は彼女の顔だけ見ていましょう」
女性ＭＣが前方を指差す。
「あっ、あそこに」
「ほんとだ」
男性ＭＣは嬉しさで大興奮。
「いたーッ！ いたいたーッ！ ジェシカがいた――アッ」
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