雨の記号(rain symbol)

血圧と睡眠障害に苦しんだ4ヶ月(1)

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 毎日40分近くかけて京葉工業地帯の幹線道路を走り、会社に通勤している。
 体調の悪かった6月からこっち、この通勤がじつに辛かった。
 何せ血圧が180近くあるのに、毎日、往復80分もの時間を要して車を走らせる。これが楽だったはずもない。
 ラジオの音楽もかけず、ただ黙々と車を走らせた。ノロノロ走る車や重機を追い越す時、血圧がビーンと上昇するのがわかった。
 血圧が150くらいあるのは昨年の後半から分かっていた。しかし、身体は特に異常は感じないし、これを変に意識するよりは身体がサイン出すまで気にかけないようにしてきたのだった。

 そうして今年も6月まで来てしまっていた。

 ある日、仕事が一段落した時、職場の同僚たちと血圧を測った。そこの食堂に立派な血圧計が置いてあったからだ。
 一人ずつ順番に測り、みな正常な値でほっとする中、最後に測ったのは僕だった。
 血圧計がプリントして出してきた紙切れを見てみなは驚いた。
 僕の血圧は上が180、下が100を超えていたからだ。
「薬飲んでるの?」
 一人が尋ね、僕は紙切れを睨みながら首を振った。
「だったら医者に見てもらった方がいいな。医者に行って薬もらって飲んだ方がいい」
 僕は黙っていた。自分でも信じられない気がした。それまで身体は何のサインも出してこなかった気がしたからだ。左肩がやけに凝るな、とは思っていたが、これが血圧に関係しているとは考えもしなかった。
 
 それから数日間、同じ時間に血圧を測ってみた。血圧が160~180あたりから下がる様子がないのを知り、僕は食事療法で血圧を下げる努力を始めることにした。
 医者に通い、血圧の薬を飲み出したらこれから離れられなくなる。それがいやでならなかったからだ。

 6月の半ばだった。
 僕は炭水化物を極端に減らした食事療法を始めた。昼の弁当は仕方がない。朝と夜を野菜中心の食事に切り替えたのである。先に野菜のおかずを食べられるだけ食べ、その後にパンやらご飯やらを食べるようにしたのだ。それをひと月半続けた。
 60キロの体重が55キロに落ちた。そのかわり血圧も140~150くらいまで下がった。
 で、体重が落ちたことより血圧が下がったのを喜んでいたら、それもつかの間睡眠障害が始まりだした。最初は眠りの浅い状態に過ぎなかった。だが、日が経つにつれ一晩中意識が覚めたような状態になっていってしまったのだ。
 この苦しさは何と形容したらいいだろう。苦しさの向こうに不安と不気味な暗闇が覗き、真の闇に向かって続いている。ストレートに言えば(死の恐怖)。そこに向かって自分は呑み込まれていく。そんな感じだった。



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