きのう書いたように、シンポジウム「必要か？リニア新幹線」というイベントに参加してきた。会場は、この前に鎌仲監督が講演したのと同じ信州大学教育学部。ただ、今回は大学側は関わっておらず、県の革新懇、信州の教育と自治研究所、自然保護連盟などで作る実行委員会
。ま、簡単に言えば、市民団体が主催する催しである分、カラーは違う
。シンポジウムと同じタイトルの本を書いた橋山禮治郎氏（米国アラバマ大学名誉教授、千葉商科大学客員教授）の講演がメインで、あとはパネルディスカッション
。
タイトルにあるように、リニア新幹線に反対、もしくは慎重な立場での催しだってことだから、論議する中身にもバイアスがかかってないとは言えない。ただ、リニアって東海道新幹線と全く別の路線を作り、南アルプスをぶち抜く大プロジェクト
。その割に、情報は全く少ないし、話題になるのは、“通過する県に一駅作る”、その駅の建設費は、地元負担（飯田付近で３５０億円）ってことくらい。最高時速５００キロ（実速４００キロ）で、東京ー大阪間を直通で一時間強（６７分）で結ぶ、夢の高速鉄道
。さ、これにどんな問題があるっていうんだろう。
問題点の前にリニア新幹線がどういう計画なのかだけ箇条書きしよう。
①東京ー名古屋間の開業は、２０２７年、大阪までは２０４５年
②運行本数は直行便毎時４本、各駅停車１本
③工事費は、計９．０３兆円
④東京ー名古屋全線の８１％が地下４０ｍ以深のトンネルを運転士なしの遠隔操作で運行
細かい経費のことはともかくとして、リニアが中央制御室で運転制御する無人走行だなんてことを初めて知る。殆どがトンネルだろ？不測の事態の時どうすんだ。
まぁ、他にもリニアによる電磁波の健康被害の懸念とかも指摘されてたけど、それは置いとくとしても、いくら東海道新幹線が老朽化していると言っても、それを補完するために全く別の路線を９兆円以上のお金をかけて作るってこと自体、理解に苦しむ
。地震が心配なら、今の新幹線の耐震工事をすぐやれば良いわけだし、リニアが出来る前に東海地震が来たらどうすんだ？それに万が一の事故が起きた時に、運転士抜きに、超高速の鉄道を制御できるのか、トンネルから、迅速に乗客を避難させられるのか？
そもそも採算が取れるのか？少子高齢化だぜ、企業は海外進出する時代なんだぜ、その時代に莫大な費用をかけてリニアを作って、飛行機との価格競争をしたら、たちまち大赤字になるのは必至。
いくら、駅以外全部、ＪＲ東海が建設費用を自己負担するとは言っても、鉄道網は、公共性が凄く高い。経営危機になった時に、結局は税金で面倒見るってことになるんじゃないの・・・
とか、話を聞けば聞くほど、そんなもんいらん。って思っちゃうね
。それに加えて、大量の電気を消費する省エネ時代に逆行する代物
。
そりゃ、駅の出来る飯田近辺の人は、多少は便利になるかもしれないけど、それだけのこと。
観光客が増える、企業誘致、地域振興なんてーのは、絵に描いた餅だと僕は思うな。それに今以上に速い高速鉄道が必要なの？って疑問があるし、速いからって、乗客が増えるかっていう疑問も多大にある。だって、ＪＲ東海の見積もりは、乗客が１．６倍になるっていう大甘なもの
。中止しろとはとりあえず言わん。これだけのプロジェクトなんだから、なし崩し的に作るんじゃなくて、メリット・デメリットを平場で議論しようや・・・今日、参加して、僕が思ったのはそれだね。
それだけの金があれば、もっと良い使い道あるんじゃね
。
