この間、講演会に行った話ばっかり書いてたけど、今回が年内ラスト(だと思う)。生協主催の「放射性物質による汚染と私たちの健康」と題した、独立行政法人放射線医学総合研究所 放射線防護研究センターの米原英典氏による話を聴きに行く。
放射能・原発関連の講演会は、これが4回目(福島・飯館村の酪農家:長谷川健一さんの話を除く)。脱原発の立場の河田昌東氏、小出裕章氏。放射線防護学が専門の日大助教授の野口邦和氏と立て続けに話を聞いてきたんだけど、ある面、一番インパクトがあったな、今回が。
最初に書いておけば、この講演会は有益だった。少なくとも、国の暫定規制値をどういう根拠から導き出してるのかっていう計算式まで示して解説してくれた人は初めてだからさ。
もちろん、脱原発の立場に立つ人は、国の暫定規制値なんて“大甘”で話しにならないって言う前提だから、そもそもの計算式なんて教えてくれない。小出さんに至っては、「年間1ミリシーベルトを守れないから日本は法治国家じゃない」とまで言って、“暫定”そのものを認めない。
で、“年間1ミリシーベルト”という(平常時の)数値でさえ、「(放射線の影響で)ガンで一万人に一人が死ぬ数値です」と言ってはばからない。僕は教えて欲しい。その根拠はどこにあるんですかと。
米原さんの話は、簡単に言えば、放射線を直接浴びる外部被曝の方が、放射性物質を空気や食品を通して体内に取り込む内部被曝より、けた外れにリスクが高い。言いかえれば、内部被曝は殆ど問題にならないほどリスクが低いって言ってるわけ。乱暴に要約するとね。
小出さんも一刀両断で分かりやすいけど、米原さんは、逆の意味で一刀両断。だから、国の暫定規制値は全く安全だし、喫煙や、野菜などを避けて栄養バランスを崩した方が、ずっと危険だって言うわけね。
小出さんほど、直接的な表現じゃないけど、話の全体を聞けば、そう受け取れるように話してる。で、人間は、食品を通して“放射性カリウム”を3~4000ベクレルを普段から取り込んでて、被曝をしてる(それでも人間は平気)。それで自然放射線の被曝でガンになるって統計もないし、自然の放射線も、(原発事故による)人工の放射線もリスクは同じ。
国の規制値の範囲で食品を食べても、被曝する量を考えても全然問題ない(遺伝子は修復される)・・・って言うわけさ。
その辺は、実際の食品の汚染度が低いんだから、それに見合った暫定規制値に変えるべきって言う、野口さんとも考えが違うね。まぁ、分かりやすかったけど、ここまで、“安全”を強調されるとは思わなかったよ。
それで一つ思ったわけ。現状がここまで安全であれば、米原さんが説明してくれれば、コトは全て済む。生協も、専門の担当職員が自分たちの方針を説明する必要なんてないわけ。僕はこの前、生協の役員に話したのは、「生協自身による説明責任を果たせ」ってことなんだけど、今日の講演はそれへの回答のような気がするね。
ここまで言われれば、返す言葉ないもん。はい、分かりました・・・ってとこかな。
だから、今日のキーワードは、“悟った”だね。あとは、行間から僕の考えを読み取って。これ以上は書かないから。
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