ゲームセット

昨日の試合で康平たちのチームはゲームセットとなってしまった・・


「まさか」の出来事だった

誰かが前に言っていた
「人生いろいろな坂がある・・急な坂・・緩やかな坂・・そして・・まさかの坂・・」


その「まさかの坂」を下りてしまった・・

延長10回さよなら負け

簡単に勝てるとは思っていなかったが・・
負けるとは全く思っていなかった・・・


今回、ピッチャーが本当によくがんばってくれた
ありがとう！

だけど・・打線がつながらないと・・・勝てないんだよ・・

打たないと・・点は入らないんだよ！

1回戦はベンチからのスタートだった康平も
この試合からはスタメンで出場・・・

私もダンナも・・あきらめていた・・「まさか」のスタメン出場だった。

あいつらしく・・元気に声を出して・・ダイアモンドの中ではりきっていたよ。

第一打席・・・打席に立つ姿に・・少しドキドキ感・・

やっぱり・・「鼻」が気になる・・・これは・・母の気持ち

針金は取れてもまだ・・痛いし何より・・ヒビくらしい・・

祈る気持ちで応援・・

カキーン・・センター前ヒット・・・・

安心した・・・


いつもの連打がいつ始まる？？
今度こそ今度こそ・・・と思いながら・・延長まできてしまった。



「まさか」のサヨナラ負け・・

終った・・・・


終っても・・涙も出ず・・

放心状態で・・・座っていたら・・

選手達がズラーと前に並んで挨拶にやってきた・・・

康平の顔が目に飛び込んできた・・

歯をくいしばっている「気をつけ・礼」・・・


それから・・涙が止まらなくなった・・

終ってしもーーた・・

2年に1回は決勝まで進んでいる強豪校が・・・
2回戦で敗れるなんて・・・

今年のチームもいい感じで仕上がってきていたのに・・


誰も悪くないよ・・

みんながんばった結果だから・・

球場を後にして学校に戻ったら・・・
バスから降りてきた子供達が・・・

後輩が先輩に抱きついて泣いている・・・

男の子達が声を出して「オイオイ」泣いている・・

康平が2年生ピッチャーの子に
「ごめんな！お前がせっかく・・がんばっていたのに・・打ってやれなくて」

2年生ピッチャーの子・・康平に抱きついて泣きじゃくっていた・・

泣いて・・スッキリするわけじゃないけど・・・

ピーーンと張り詰めていたものが・・・一気に緩んだね・・

張り詰めすぎていたよ・・・春からずっと・・・

3年生になって・・・たった・・2回の公式戦しか出来ずに終るとは
思わなかった・・・

寂しすぎる最後の年でした。

さんざん・・・選手と抱き合って泣いた後・・

数名の選手と父母で・・かたづけがてら・・グランドへ行った。

2時過ぎ・・遅い昼をみんなでグランドで食べた・・

グランドで食べるのも・・もうないね～なんて言いながら・・

2時間ほど・・子供達といろいろな話しをして笑ったよ。

子供は元気だ！

こんな時・・大人は「お酒」を飲みながら
何度も何度も同じことを繰り返して言い合い・・
いつまでも・・落ち込んだりするんだけど・・

子供は元気だ！
仲間といるだけで・・・元気を取り戻している・・
そして一緒にいた・・私も・・元気をもらっていた。


帰りの車の中で康平が突然・・

「あ～～・・オレ・・今日でキャプテン・・終わりや～　あ～・・ホッとした　・・・しんどかったなぁ～～　」

となりに座っていた仲間が

「おー！康平！キャプテンお疲れ！・・お前のキャプテン良かったぞ！お前が一番・・しんどい思いしたなぁ～・・お前がキャプテンでよかったよ」


ありがたい仲間の言葉だよね・・・

「オレ・・正直・・・何回・・キャプテン辞めたいって思った事か～・・でも・・終ったんやぁ～・・よかった～～」


ホンマ・・お疲れ様・・・
最後まで・・みんながお前を支えてくれたんやね・・

いい仲間と出会えた事に感謝・・・

試合は残念ながら・・負けてしまった・・

負けて悔いなし！！

そんな綺麗事・・あるものか！

でも・・終って・・気持ちはスッキリ・・・

次に進んで行こうか・・・康平・・・

今朝・・新聞を見ると・・・また涙が出てしまうけど・・

夢見た甲子園は・・・やっぱり「夢」のまま終ってしまいました。

帰宅した康平を待っていたのは・・・やはり・・いつもの仲間・・

みんな・・・今日は1人になりたくないんだね～～

康平！！お疲れさん・・そして・・ありがとう！

お前のがんばりは。父さんと母さんが一番わかっているから・・・

そして・・チームのみんな・・ありがとうね！
いい仲間達だった・・・仲間も後輩もみんな・・よかったよ・・


昨日のどんより曇り空とは・・うって変わり・・

今日は気持ちのいい晴天

今日の私達には・・チト・・・眩しすぎるくらいだ・・・