お願い！助けて！

今、病院から帰ってきました。

康平と・・・・

不吉な事というものは、いつも突然にやってきて

私をビックリさせるのです。

そう・・健太の時もそうだったな～

11時30分電話が鳴る・・・

電話の相手は「もしもし○○です。」

康平の野球部の部長先生だ・・

「いつも康平がお世話になっています」

「あのですね・・康平・・顔に球があたって・・・」

「えっ！！！イヤだ・・先生・・」

「あっ・・あの・・ボクも今から病院へ連れて行きますのでお母さん・・
保険証を持ってきてくれますか」

「は・・はい・・」

私の声の異変に気づいたダンナは
「何！！どーーした？？」

「康平・・顔に球あたったんやてっ病院行ってくる！」

病院まで・・車で5分・・
足が震えて・・アクセルがうまく・・踏めない・・・

「大丈夫！大丈夫！」・・自分に言い聞かせていた・・

アクセルが踏めない

信号がどーーだったか・・・覚えてない・・

人がうろたえるって・・こーいう事なのか・・

病院の玄関で先生と康平を待つ・・

長い・・喉がかわく・・

救急車が到着・・

まさか・・・コレに乗ってないよね？？

立て続けに3台も救急車が入ってきた・・

ソーーッと覗き込んだが・・康平ではなかった・・

来ない・・・来ない・・
5分・・10分・・待ったかな・・

康平を乗せた部長先生の車が到着・・

軽く会釈をした・・・
車から降りてきた康平の顔は・・

春の「あの時>」とは明らかに違っていた
素人の私が見ても・・・かなり・・異常な状態・・

泣きながら車から降りた康平に近寄って
「痛いか？」
だまってうなづいたまま・・・涙を流す・・
康平の涙は痛さの涙ではなかった・・

「悔しい悔しい」
と言いながら・・・泣きじゃくっていた

私の体も震えていたけど・・康平の手も震えていた・・

すぐに救急へ・・

満員だ

康平の鼻の周りの顔面・・
みるみるうちに腫れあがり・・

右目があかなくなってきた・・

鼻血が止まる事がなかった・・口から・・鼻から・・

涙が出そうって言うか・・・泣きたい気持ちを抑えて
康平を励まし続けた・・

「大丈夫！大丈夫・・お前はなんで・・もう泣いてるの！諦めたか？
まだ・・どーなのかも・・わからんのに・・途中で・・諦めるんか？
泣いたらあかん！！大丈夫だから・・」

そのうち・・頭痛と吐き気も訴えてきた・・

目と目の間が異常な腫れ具合・・
そして・・右の鼻元が陥没しているのが・・
目で見てわかる・・

ダンナがあとから駆けつけてきた・・

ダンナ・・弱いんだなっ・・
康平の悲惨な顔みて・・・
涙してしまった・・

康平はダンナの顔見て・・また泣いてしまった・・


1時間30分経った頃・・やっと診察だ・・
レントゲンとＣＴを撮った・・

診断結果・・・

鼻の骨が3箇所折れてた・・・・
1箇所は陥没・・

眼底の骨は大丈夫だった・・せめてもの救い・・

先生の診断を聞いたとたん・・めまいがした・・
涙が出た・・

康平は・・何か悪いことしたかな～～・・
こんなにこんなに一生懸命にがんばってきただけなのに・・

月曜日にもう一度診察して・・手術日が決まります。

部長先生が
「大事な試合を控えてるのですがー」と切り出してくれた・・

夏の大会まで・・3週間・・

病院の先生は
「そうですね・・野球の選手ですもんね・・本当は手術後1ヶ月は
スポーツをやめてほしいんですが・・退院後・・3日ぐらいで体が大丈夫だったら・・後は・・本人にお任せするしかないですよね・・」

針金が鼻筋に入るのです・・
陥没しているところにまた、衝撃が当たるとまた陥没しますからって・・

私・・思わず
「陥没したらまた手術で治るんですか？」って聞いてしまいました・・

「はい・・できますよ！」

軽く笑われてしまった・・

部長先生も・・・
「大丈夫や」と康平を何度も何度も励ましてくださいました。
過去のケガの例をだして
康平を励ましてくださいます・・




精算を待っている時、康平が

声を絞り出すよーに・・泣きじゃくりながら

「お母さん・・ごめん・・・ごめん・・・いっつも・・心配かけて」


私・・・堪えていたのに涙がドワーーって出てしまった

康平・・周りにたくさん人がいるのに・・

「ホンマ・・ごめん・・・心配ばっかりかけて・・ホンマ・・ゴメン」って・・


「康平・・・泣くな・・謝らんでいいよ・・謝るのは悪いことした時だけやっ・・お前は何も悪いことしとらんやろーー・・謝るな・・大丈夫！お母さんは最後まで大丈夫って信じとる・・・治るって信じとる・・泣くな」


周りの人達・・ビックリしただろーーなっ・・

野球の格好をしたほぼ大人の体形の男子が
車椅子に乗ったまま・・

顔がかなり腫れて見苦しい状態でで
オイオイと泣きながら謝っているんだもの・・


康平は・・悔しくて悔しくてたまらんのや！

お願い！神様！仏様・・・みなさま・・・

康平を助けて～～

あと・・3週間に迫った・・・9年間の思い・・
なんとか・・・・お願いします