閑人帖

冬らしい木

桜の大木(古木・老木)は満開時には息を吞むほどの美しさで、春の訪れの喜びを見る者に与えてくれるが、花が散り、葉が落ちると、横に伸びた幹などを保護するための支柱などが露呈してきて、ちょっと痛々しく、物悲しい感じになる。自然のままに朽ち果てさせるのも、一つの方法かもしれないなどと思うのである。

一方で、銀杏は横に幹や枝を広げることがほとんどないので、上へ上へと伸びて背の高い大木となることが多い。私が暮らす地域では、11月下旬から12月上旬が黄葉の真っ盛りである。

銀杏が葉を落としてしまうと本格的な冬になる。真っ裸になった銀杏は見るからに寒そうである。その観点からみると冬らしい木と言っていいかもしれない。

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