2022年11月3日「老化細胞」が蓄積する仕組みが解明されました。
3日の英科学誌ネイチャーで発表されています。
細胞は新陳代謝を繰り返しているのですが、
「老化した細胞」が新陳代謝をしないで残ったまま、
つまり蓄積された状態で脂肪性肝炎や糖尿病などの生活習慣病を引き起こす原因の一つになるとされています。
東京大医科学研究所などのチームによって
「老化細胞」が加齢に伴って肝臓などの臓器にたまる仕組みがマウスの実験でわかっています。
新陳代謝が止まった細胞
↓
老化細胞になる
↓
蓄積して炎症を起こす物質を出し続けり
↓
病気につながる
どうして老化細胞を蓄積するのか?
本来、人の免疫システムは、
不要になった細胞を攻撃して取り除けるのですが、
老化細胞の1割弱には、表面に「PD―L1」というたんぱく質があり、
これが、免疫細胞のたんぱく質「PD―1」と結びつくと免疫の働きにブレーキをかけてしまうので、老化細胞が除去されにくくなる可能性があることがわかりました。
「PD―1」が増えすぎると、免疫が働きにくくなってしまうのです。
「PD―1」を巡っては、京都大の本庶佑(ほんじょたすく)特別教授らが発見し、2018年のノーベル医学生理学賞を受賞されています。
がん患者さんに核酸を取ってもらうと、ガンガ縮小していくという結果は、
もしかしたら「PDー1」を減らしてくれているのかもしれません。
がん細胞をアポトーシスさせる働きに関係しているという核酸ですが、
本格的な研究が待たれます。