
一葉や荷風について、読んだり書いたりしていると、私のような蝦夷者にとって、江戸って、どんなところだったのかと、津津浦浦、興味が湧いて来て、それで、なんか、すっごく高かったけれど、思い切って買ったんです。この画集。
それで、もっとも、心に残っている画が、これです。

窓外には、吉原の田園と、遠く、なにやら神社の祭りに向かう人々の列。
吉原の楼閣の、窓辺に、さり気なく置かれている男柄の手ぬぐいに、外をじーっとみている猫。
枕屏風のあたりに、ちらりと懐紙がある。
そして、酉の市の熊手を模した簪も。
すごいね。
これだけのシチュエーションで、描けているんだもの。人を。