
テレビドラマや映画では、民衆はいつも圧政に苦しめられ、虐げられているように描かれる。
でも、実は、このようなアカデミックな研究者が自らの研究に基づいて書いた本を読むと、民衆は如何に、誇り高く、大らかに、そして力強く、したたかに、生きてきたかを知る。
その中世から、江戸時代末期までの民衆史を、児童文学で描いた作家が後藤竜二である。
後藤竜二には、『1ねん1くみシリーズ』『12歳の伝説』など代表作が沢山あるが、この民衆の生き様を描いた作品も、素晴らしい。
講談社版


文庫本の解説にあさのあつこが書いている。
「後藤は確かな声を持っている作家だった。想いが声となり、声が熱を持つ」と。
後藤竜二という作家は、まさに、その通りだった。