
この本をこのブログにupするのは三回目かも知れない。
私は、今回のドイツの旅にも、この本を携帯し、いったい何度、読んだのか分からないほど、ヨタヨタになっている。
私は、そもそも、ほぼ40年ほど前、朝日新聞でこの本を知り、ハーメルンの笛吹き男、つまり鼠捕り男の正体と、12世紀、この伝説に語られる失踪した130人の子どもたちの行方にも興味があって読んだのがきっかけだった。
しかし本書だけではなく、他の阿部謹也の著書、それから、ホロコースト関係本などを、何年もずっと読んでいるうちに、ドイツ人、つまりゲルマン人とは何者なのかという興味へと私の関心は移っていった。
その興味を、阿部謹也の著書は、私の知的欲求というか好奇心を、実に、本当に、満たしてくれた。
いろいろ、ある。
ほんとうに、いろいろある。
私の能力で、言葉を尽くしたところで、語りきれるものではない歴史的な事象がある。
だけど、私はヴァイツゼッカー氏は凄い立派なドイツ人だと思う。
メルケル首相も、多くの批判のなかで、イスラム教の難民を受け入れるその政治的姿勢は凄いことだと思っている。
テロがドイツ社会の右傾化を加速させてしまい、〈異なる者〉への排除へ、突き進むことが懸念されてならない。
去年の夏、ハンガリーのブタペストの駅で見た難民を思い出すにつけ、そのことが気になってならない。
いったい、いつ、なぜ、なぜ、ここまで、ここまで、イスラム教徒を、追い詰めたのか。
私は、そのことを考える。
切ないなぁ。