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ケセランパサラン読書記 ーそして私の日々ー

◇『ヘルマン・ヘッセをめぐって ーその深層心理と人間像』  滝沢寿一・井手賁夫・小島公一郎 共編  三修社

昔に読んだ本ですが、調べたいことがあって、本棚から探し出した。
ヘッセ関係は、同じ棚に並べてあるはずが、これは全然違って、ドイツ語関係のところにあった。


表紙を開くと、文字が小さい。
1982年出版の本は、こんなに字が小さかったのかと、真昼間だけど、ライトを点ける。

もう何十年も昔に読んだ本のせいか、内容はほぼ忘却。
まるで初見のように夢中で読む。

ページの間から、はらりと落ちたものがある。
見るとコンサートのチケットである。

1996年のちょうど、今ごろである。
チェリストのフランツ・アマンのコンサート。

ページから、目を移し、窓の外、青空を見る。
ルーテルホールは、その名前の通り教会のホールである。
カリオンがあって、その澄み切った響きが、秋の空に吸いこまれていくようだった。
そんなことを、思い出した。

本を再読していると、まま、こういうことがある。
飛行機のチケットだったり、幼い息子がメモに描いた絵だったりを、発見することがある。
一瞬で記憶が、遡る。

本を持つ私の姿や、「また、本、読んでるの」という幼い息子の姿や声が甦る。

いつも、いつも、本を読んでは、生返事ばかりしていた母親だった。
今ごろ、反省しても、手遅れも甚だしいが。

さて、調べものに、戻ろう。



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