以前に、仲良しのMIHOKOちゃんオススメの『1988応答せよ』という韓国TVドラマを視た。
定形的なギャグの演技は別として、高校生を演じたそれぞれの、個の描写がいいなと思った。
特に、いわゆる世間ズレしていない、世間からずれまくりの天才棋士を演じたパク・ボゴムの独特の演技と、棋士という設定か、イザと言う時の勝負師的な攻めの演技が好奇心をそそった。
それで、パク・ボゴムの映画、TVドラマを何本か視た。
『1988応答せよ』の、あのパク・ボゴムの、異形なる演技は秀逸だった。
でも他のドラマや映画の演技は、地でいけるんじゃないの、と思うほどに退屈だった。
それで『ボーイフレンド』ですが、1回目は、まさにパク・ボゴムの地、全開!のドラマだと思った。
CHEEZE(치즈) - 영화 같던 날 ボーイフレンドOST 字幕♪ パク・ボゴム
しかも、紆余曲折の恋愛物って、めんどくさいんだよなーと思った。
それで、自分の感性確認しないでは要られない症候群の、その私の感想の確認をしたくて2度目の視聴。
「あぁ、やっぱり、この恋愛物の紆余曲折が、かったるい」と思ったことを再確認。
なのに、半年かな、いや1年ぐらいかな、それぐらい経って、なぜ3回目を視る気になったのか。
なんか、滅入っていたのですよ。
アメリカの大統領選挙の結果とか、私には意味がわかんないポピュリズムとか、ね。
気分転換をしたかったというところですかね。
3回目を、視たら、映像的には「はっ? これってある?」という描写もあるのですが、脚本のイイ感じに、気付いてしまったのです。
この作品、脚本、すっごく良いです。
あぁ、こんな言葉で、この心裡を描写するんだというのが随所にあり、脚本家の表現力に、心に矢羽根が刺さりました。
特に、これか!と思ったのは、パク・ボゴム演じる主人公ジニョクの幼馴染み女子ヘインのセリフ。
「好きなのは、あなただったのか。片想いしている時間だったのか」です。
ここは、普通に「片想いしている自分だったのか」という発想だと思うのですが、“時間”という概念、当たり前過ぎて見過ごす表現ですよ。
“自分”じゃなくて、“時間”とした、そこを表現したい脚本家に、「おっ!」と思ったのです。
“自分”とするか“時間”とするか、その選択が文学だと思った、のですわ。
こういう、些細な「おっ!」が結構、あちこちに現れる作品でした。
と言うだけの、話しですかね。
この雪降る深夜に。
で、この文章を書き終わって分かったことがある。
ベターBetter、気分転換には、なった作品だったのだと😊
ああ、もう冬だよ。
「冬が来る前に」を、まったく自覚する前に、あぁ、冬になってしまった。
<追記>
ところで「1988応答せよ」のパク・ボゴムは、左利きだったのに、それ以後の映像では右利きになっている。
私も左利きだけれども、小学校に入った途端に教師に直されたので右で字も書けるし、箸も持てる。
でも中学生になった時、なんだか無性に自分に戻りたくて、なんでもかんでも左手になった。
パク・ボゴムは、左利きなのか右利きなのか、どちらなんだろう。
左利きなら左のままがいいのに。
もしかしたら、右利きなのに、不器用さを演出するために、左利きで演技したのだろうか。それも有り得る。