夏本番

　ようやく鬱陶しかった梅雨の季節が明けた。恒例の隅田川花火大会は、天気予報ではやや不安定な予報内容だったが、当日２５日は見事に晴れ上がり、申し分のない好天で迎えることができた。この日の午前中には保育園のサマーファミリーデーと称するイベントもあり、これに合わせて前日から大阪の祖母殿が来訪、寝相の悪さに辟易されたかと思うが一緒に夜寝て、「野菜つかみ」のコーナーでは一番大きなゴーヤをゲットするなどした私の活躍もたっぷり見ていただく。みんなでお鮨を食べに行き、帰り道向島百花園を散策したりして楽しみ、午睡を終える頃には群馬の祖母殿もやってきて、みんなで花火見物を楽しんだ。

　我が家のマンション屋上に設けられた観覧席の中でも今年はくじ引きにより最前列の特等席が割り当てられており、浴衣を着せてもらって開始時刻前から登ってたっぷり楽しむことができた。轟音に怯えたのももう昔のことで、逆に今は一発上がるごとに大興奮を示し、「パパ、ほら見てほらほら、ばあば、見てみて！」とやかましく皆の視線を誘導して華やかな光の乱舞を満喫する。飛び交うヘリコプターの光、川面に居並ぶ屋形船の列、眼下の通りに行き交う群集、全てが年に一度の盛り上がりを伝えている。今年から、屋上に立つとすぐ近くに見えるところに東京スカイツリーの建築が進められているのも興を添えている。来年にはどのくらいの高さまで伸びていることか。

　最後の花火を見終えて家に戻り、夕食。私は昼間お鮨を食べ過ぎて豪華な鰻や焼き鳥もいくらも食べられず、デザートのケーキだけ食べて、代わりに最近描いた絵などを両祖母殿に見てもらって褒められて満悦し、ずっと起きていようとがんばっていたがついに父殿に無理やり引っ張られてシャワーを浴び、歯磨きをしてお布団に入れられたらたちまち眠りに落ちた。

　翌朝も興奮冷めやらず早くから起きてまだ眠そうな両祖母殿を起こして一騒ぎ、朝ごはんのときになっても我が儘勝手のし放題をしていたらついに父殿にこっぴどく怒られてすねたりしたが、あとはきちんと食べて、女性三人残して炎天下の公園に遊びに連れて行ってもらい、大阪の祖母殿のこしらえてくれた竹とんぼを飛ばしたりして暑さをものともせず午前中一杯遊んだ。お昼はまた一同そろってお鮨屋さんに出かけ、前日にも増してたっぷりと食べ、デザートの冷たい和菓子まで味わって食べ満腹になる。駅で群馬の祖母殿とお別れ、家に帰ってお昼寝しているうちに大阪の祖母殿も帰って、長い興奮に満ちた二日間を終えた。