新たな年

　お正月は家で家族３人水入らずで、のんびり過ごした。父殿も30日から三が日まではお休みで、毎日みんなで連れ立って方々に出かけ、様々な風物を見物できた。年末の築地市場などをのぞいて歩いたのも楽しかったし、先年お宮参りでお世話になった白髭神社に初詣に行ったのも気持ちが改まっていいものであった。バスで銀座や日本橋などに出かけるのも、途中の風景がもの珍しく、実に愉快である。デパートの屋上などで日光浴をしながらご飯をいただいたりもした。遠くに旅行に行くのもよろしいが、こうしてゆったりとした時間を過ごすのもまた格別である。

　お正月ということで色々と珍しい食べ物を買ってくる。私もいくらかはお相伴にあずかる。鴨のお雑煮も味わったし、八つ頭や金時人参などの煮物もたっぷりといただいた。築地で買ってきたカンパチの西京漬けなどもほんの一口味見をさせてもらったが、うまかった。おっぱいとミルクしか飲めなかった昨年と違って、お正月というものはこうして色々美味を楽しむものなのだと学んだ。

　新年には一年の抱負を述べるものでもあるらしい。私なりにこの一年における目標を考えてみた。まず一番には、自在に歩けるようになることである。お散歩に行くにしても、ベビーカーのお世話にできるだけならずに父殿、母殿と一緒に歩いていけるようになればどんなにか楽しいだろう。これは、少しずつでも、既に実現に近づきつつある。

　第二には、日常会話の習得である。単語をできる限り覚え、発音をきちんと行えるようになるのみならず、でき得れば年内には二語文くらいの話法まで身につけ意思の疎通を正しく行えるようにまでなりたい。

　七癖、と言われるが、直すべき癖が私にもたくさんある。興奮すると私は、手足の制御が意のままにならず、母殿・父殿の顔をひっぱたいたり引っかいたり、髪の毛を引っ張ったりなど余計な動作をしてしまう。まずこれは直さなければならない。何でも口に入れるのも良くない習性であるが、中でも紙を食べてしまう癖はよろしくない。絵本でも私は見るより先に片端から食ってしまう傾向にあり、お誕生日に祖母君からいただいた絵本など表紙は取れ、四隅は大抵咀嚼してしまった。自家用のものならまだしも保育園の本まで食ってしまおうとするから、これは早急に改めるべきである。

　また私は退屈すると、特にお出かけの折など、身に付けている手袋を取り、靴下を脱ぎ、帽子をはずし、手に持って遊んでいる内はまだ良いがじきに放り出してしまうから、これまでにもしばしば靴下の片一方などなくしてしまった。この性癖も改めたい。家にいても、構ってもらえなかったりして不満が募ると、どういうものだかズボンを脱いで自己主張をする。これも何とも見映えの悪いものである。

　排泄行為に関してもトイレトレーニングの開始まで視野に入れたいが、この点は現在全く未知の領域であり、大人の皆様のご配慮に任せることとしよう。せめて言葉の習得とともに、ウンチをお知らせするくらいのところまでは自身で身につけたいものである。

　ひとまず以上を新年にあたっての抱負とし、またこれからの経験に合わせて追加・修正を加えていく予定である。皆様のご協力をいただきながら、ひとかどの幼児となれるよう、精進していきます。