「自由朝鮮の正体は米国が切り捨てたはずだ」
反北朝鮮団体の自由朝鮮がスペインの北朝鮮大使館に侵入した事実が報じられた直後の昨年3月、米国のある北朝鮮人権団体の関係者が記者にこのように述べた。この関係者は事件発生からわずか数日後、スペインと米国のメディアが自由朝鮮のリーダーである「エイドリアン・ホン」とメンバーの身元について相次いで報じたことに疑問を抱いた。平素からホン氏らは徹底して秘密裏に動いてきたため、このように簡単に身元が割れるのはあり得ないということだ。
この関係者は「ホン氏を最もよく知る人物は米国と韓国の情報機関だ」とした上で「事件直後、ホン氏が米国に向かったことから考えると、米国で情報が漏れたのかもしれない」との見方も示した。ホン氏は20代の時から北朝鮮の人権活動に取り組みながら、米国と韓国の情報機関と関係を結んできた。しかしホン氏が率いる自由朝鮮が「一線を越える」作戦を起こしたため、米国がしっぽ切りに乗り出したということだった。また別の人権団体関係者は一連の現状から「われわれの仲間内では『米国野郎を信じるな、韓国野郎にだまされるな』と言っている」と伝えた。
この予感は事実だったようだ。米ウォールストリート・ジャーナル紙(WSJ)は今月3日(現地時間)、「北朝鮮政権を崩壊させる秘密組織の内幕」という自由朝鮮関連の記事を掲載し、その中でホン氏の「決定的な読み違い」について説明した。ホン氏はスペインの北朝鮮大使館を襲撃した後、米国に戻り連邦捜査局(FBI)の関係者と面会する約束を取り付けた。ホン氏はこのFBI要員に自らがスペインの北朝鮮大使館から持ち出したUSBメモリーと複数の書類を手渡した。
ホン氏は2011年に米国政府とコンサルティング契約を結び、カダフィ政権没落後、混乱が続いていたリビアに入って革命政府設立を支援しながら米国の情報機関と緊密に仕事をしてきたという。ホン氏は今回も自らが米国の国益にかなう仕事をしたと考えていたようだ。
しかしFBIは冷たかった。WSJによると、FBIは「外国での北朝鮮大使館襲撃という大胆な作戦をする団体との協力は危険すぎる」と判断し、大使館侵入事件を捜査中のスペイン当局にホン氏の身元を逆に伝えた。ホン氏がFBIに手渡した資料はそのままスペインに引き渡された。これをきっかけにスペイン当局は監視カメラ映像などから自由朝鮮メンバーの氏名を一人一人把握し、ホン氏は逃亡者の身の上に転落した。
自由朝鮮の事例は極端なケースだが、一方で国際社会が韓半島問題を取り扱うやり方を示している。米国とスペインは当然のことながら、自由民主主義に基づく韓半島統一を歓迎するだろう。しかしその手段と方法、戦術が自国に害をもたらすとき、血盟である米国も尻込みするほかない。北朝鮮と一部左派が掲げる「わが民族同士」は妄想だが、米国が無条件に「全ての団体の全ての行動」を支援するという期待も幻想だ。統一のスタート地点は冷静な現実認識にあることを忘れてはならない。
ワシントン=趙儀俊(チョ・ウィジュン)特派員
反北朝鮮団体の自由朝鮮がスペインの北朝鮮大使館に侵入した事実が報じられた直後の昨年3月、米国のある北朝鮮人権団体の関係者が記者にこのように述べた。この関係者は事件発生からわずか数日後、スペインと米国のメディアが自由朝鮮のリーダーである「エイドリアン・ホン」とメンバーの身元について相次いで報じたことに疑問を抱いた。平素からホン氏らは徹底して秘密裏に動いてきたため、このように簡単に身元が割れるのはあり得ないということだ。
この関係者は「ホン氏を最もよく知る人物は米国と韓国の情報機関だ」とした上で「事件直後、ホン氏が米国に向かったことから考えると、米国で情報が漏れたのかもしれない」との見方も示した。ホン氏は20代の時から北朝鮮の人権活動に取り組みながら、米国と韓国の情報機関と関係を結んできた。しかしホン氏が率いる自由朝鮮が「一線を越える」作戦を起こしたため、米国がしっぽ切りに乗り出したということだった。また別の人権団体関係者は一連の現状から「われわれの仲間内では『米国野郎を信じるな、韓国野郎にだまされるな』と言っている」と伝えた。
この予感は事実だったようだ。米ウォールストリート・ジャーナル紙(WSJ)は今月3日(現地時間)、「北朝鮮政権を崩壊させる秘密組織の内幕」という自由朝鮮関連の記事を掲載し、その中でホン氏の「決定的な読み違い」について説明した。ホン氏はスペインの北朝鮮大使館を襲撃した後、米国に戻り連邦捜査局(FBI)の関係者と面会する約束を取り付けた。ホン氏はこのFBI要員に自らがスペインの北朝鮮大使館から持ち出したUSBメモリーと複数の書類を手渡した。
ホン氏は2011年に米国政府とコンサルティング契約を結び、カダフィ政権没落後、混乱が続いていたリビアに入って革命政府設立を支援しながら米国の情報機関と緊密に仕事をしてきたという。ホン氏は今回も自らが米国の国益にかなう仕事をしたと考えていたようだ。
しかしFBIは冷たかった。WSJによると、FBIは「外国での北朝鮮大使館襲撃という大胆な作戦をする団体との協力は危険すぎる」と判断し、大使館侵入事件を捜査中のスペイン当局にホン氏の身元を逆に伝えた。ホン氏がFBIに手渡した資料はそのままスペインに引き渡された。これをきっかけにスペイン当局は監視カメラ映像などから自由朝鮮メンバーの氏名を一人一人把握し、ホン氏は逃亡者の身の上に転落した。
自由朝鮮の事例は極端なケースだが、一方で国際社会が韓半島問題を取り扱うやり方を示している。米国とスペインは当然のことながら、自由民主主義に基づく韓半島統一を歓迎するだろう。しかしその手段と方法、戦術が自国に害をもたらすとき、血盟である米国も尻込みするほかない。北朝鮮と一部左派が掲げる「わが民族同士」は妄想だが、米国が無条件に「全ての団体の全ての行動」を支援するという期待も幻想だ。統一のスタート地点は冷静な現実認識にあることを忘れてはならない。
ワシントン=趙儀俊(チョ・ウィジュン)特派員
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