石川県河北郡花園村,現在の金沢市今町に生まれた八田與一は,東京帝国大学工学部土木科,廣井勇のもとで土木技術を学んだ.大学卒業後、台湾総督府内務局土木課の技手となった八田は,日本領時代の台湾における広大な灌漑事業に派遣された.日本,台湾両国の技手,作業員の多くの犠牲のもとに成し遂げられたこの灌漑事業によって,当時,60万人もの農民の暮らしに恩恵が与えられた.この灌漑事業の先頭に立った八田與一は,半世紀以上を経た今もなお台湾の人々に愛され続けている.八田與一をとおして,民衆のための土木技術について考えてみよう.
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