パウロの生涯(13)
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会議を導く神
聖書は特記のない限り、新改訳2017(新日本聖書刊行会)を用いています。
エルサレム会議
エルサレムからユダヤ主義クリスチャンがアンティオキアにやってきて、
割礼を受けなければ救われないと教え始めました。
これを聞いた信徒たちに動揺が広がりました。
そしてバルナバやパウロと激しい論争になり、この問題を解決するために、
エルサレムで会議を行うことになりました。
A.D.49年ごろの出来事であったと言われています。
参加者は使徒たちと各教会の長老たちです。
会議では、まずエルサレム教会の使徒ペテロが発言します。
ペテロはローマ人の百人隊長コルネリウスを救いに導いた経験(使徒10章)から、
「神様は異邦人にも聖霊を与え、信仰によって清めてくださった。
それなのに私たちも負いきれなかった律法のくびきを異邦人にも負わせようとするのか。(7〜10節)」
と主張しました。
次にバルナバとパウロが発言します。
「そして、バルナバとパウロが、神が彼らを通して異邦人の間で行われたしるしと不思議について話すのに、耳を傾けた。」(12節)
最後にヤコブ(エルサレム教会の代表でイエス様の弟)が発言します。
ヤコブは(旧約)聖書――主にアモス書9:11以下――を引用しながら、
異邦人を救うことは、昔から神様の御計画であり、神様が預言しておられたことなんだと言いました。
そしてヤコブは最後に、
「"ですから、私の判断では、異邦人の間で神に立ち返る者たちを悩ませてはいけません。
ただ、偶像に供えて汚れたものと、淫らな行いと、絞め殺したものと、血とを避けるように、彼らに書き送るべきです。(19〜20節)」
こう言って締めくくりました。
結局、これが結論となりました。
そしてエルサレム会議の決議は、パウロたちの異邦人伝道の働きを、更に推進していくことになりました。
エルサレム会議の成功には、
1.ペテロやヤコブなどのエルサレム教会の指導者たちが賛成に回ったこと。
2.パウロたちが伝道旅行で異邦人の救いを体験しただけでなく、
ペテロもコルネリウスの回心と救いの体験から、神様の御心であると確信した。
3.エルサレム教会の指導者で、イエス様の弟であるヤコブが、(旧約)聖書を引用して、聖書に書いてある(預言されていた)ことであると証言しました。
以上のことが、成功に至った要因になったと思います。
しかし、大切なことは、織田昭氏が言っているように、
「聖霊ご自身が働かれて,パウロが宣べ伝えていたの福音を疑問視する人たちを黙らせた」ということです。
聖霊なる神様が、異邦人たちを救うという御自身の御計画を実現させるために、御心のままに、会議をも導かれたのです。
会議を導く神
古代以降の公会議はもちろんのこと、
現代でも、教団の会議や、各個教会内の会議などに聖霊なる神様が生きて働いておられ、導いておられます。
現代でも、特に教会堂の建築や改築などの時に教会が分裂しそうなぐらい反対意見が出ることもあります。
しかし、会議の決議が自分の思い通りの結果でなかったとしても、それも神様の御心である。神様には神様の御計画があると信じて、従順に従っていくことも大切なのではないでしょうか。
事後処理
「そこで、使徒たちと長老たちは、全教会とともに、自分たちの中から人を選んで、パウロとバルナバと一緒にアンティオキアに送ることに決めた。選ばれたのはバルサバと呼ばれるユダとシラスで、兄弟たちの間で指導的な人であった。」(使徒15:22)
アンティオキア教会から来たパウロとバルナバだけでなく、
真実性を証明するために、
エルサレム教会の中からユダとシラスを選出して、アンティオキア教会に派遣しました。
「彼らはこの人たちに託して、こう書き送った。『兄弟である使徒たちと長老たちは、アンティオキア、シリア、キリキアにいる異邦人の兄弟たちに、あいさつを送ります。・・・』」
(使徒の働き 15章 23節)
パウロ・バルナバ・ユダ・シラスの4人の証人に、さらに手紙を持たせて、小アジアの各教会に回覧できるようにしました。
「人々はそれを読んで、その励ましのことばに喜んだ。
ユダもシラスも預言者であったので、多くのことばをもって兄弟たちを励まし、力づけた。」
(使徒の働き 15章 31〜32節)
ユダヤ主義者たちの教えによって大混乱したアンティオキア教会でしたが、
エルサレム会議の決議と、それを伝えた人たちのことばと手紙で、異邦人クリスチャンたちは大いに励まされ、力づけられ、そして喜びに満たされました。
不安に思っている信徒のために、労を惜しまないで、色んな方法(電話・手紙・訪問など相手に合った方法)で相手を励ます。
そのために労を惜しまないことも大切なことです。
第2回伝道旅行の発案
「それから数日後、パウロはバルナバに言った。『さあ、先に主のことばを宣べ伝えたすべての町で、兄弟たちがどうしているか、また行って見て来ようではありませんか。』」
(使徒の働き 15章 36節)
パウロは、第1回伝道旅行で開拓した小アジアの諸教会の信徒たちがどうしているか心配でなりませんでした。
ユダヤ教の強いところもあれば、
ギリシアの神々を祀っている町もありました。
地域の中で迫害を受けて、信仰から脱落しそうになってはいまいか、心配でした。
そこで彼らを励ますために、
パウロは第2回目の伝道旅行というより牧会旅行?を発案しました。
結果的には、この第2回伝道旅行は、聖霊なる神様の、人の思いを越えた大きな御計画によって、思いもかけず、ヨーロッパまで足を伸ばすことになります。
しかし、当初は第1回伝道旅行で行った小アジアの各教会を巡回するつもりだったようです。
──主のことば──
「わたしの思いは、あなたがたの思いと異なり、あなたがたの道は、わたしの道と異なるからだ。
天が地よりも高いように、わたしの道は、あなたがたの道よりも高く、わたしの思いは、あなたがたの思いよりも高い。」
(イザヤ書 55章 8〜9節)
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