パウロの生涯(15)
人の計画と神の計画
禁じられた伝道計画
「それから彼らは、アジアでみことばを語ることを聖霊によって禁じられたので、フリュギア・ガラテヤの地方を通って行った。
こうしてミシアの近くまで来たとき、ビティニアに進もうとしたが、イエスの御霊がそれを許されなかった。」
(使徒の働き 16章 6〜7節)
「アジアでみことばを語る」のアジアというのは、エペソとその周辺の地域のことだろうというのが定説のようです。
パウロは伝道計画を立てていました。それは、まずエペソを拠点として、その周辺の地域に伝道牧会するという計画でした。
ところが、その計画が聖霊によって禁じられたというのです。
「聖霊によって禁じられた」ということは、具体的にどういうことなのか、色々と説がありますが、分かっていません。
1.病気説
2.ユダヤ教徒による待ち伏せや妨害。
3.預言者がいて「アジアへは行ってはいけない」という主の示しをパウロに伝えた。
上記のような理由で、
エペソ(西)に行こうとしたが、禁じられて、北に方向を変え、
ビティニアに進もうとしたが、またもや禁じられて、今度は西に方向を変えました。
そしてついにトロアスまでやって来ました。
ここは、アジアの一番端、最果ての地です。
パウロは、進んで行こうとしたけれど、何度も禁じられ、エペソも駄目,ビティニヤも駄目となれば,一体どこへ行けばよいのか?
悩み苦しんだと思います。
キリストを伝えるために,最も条件の整っている中心地を祈って祈って選んだのに,それが二度までも不可能になったのです。
私も現役の牧師をしていたころ、
3ヶ年宣教計画など、中期計画を立てたりしていましたが、
教団から異動を命じられて、計画の中止を余儀なくされたことがありました。
伝道や教会活動だけてなく、
私生活などでも、進学や就職、結婚などでもうまく進まないことがあります。また時が来るまで待たされることもあります。
聖霊の導きに従う
その夜、パウロは幻を見た。一人のマケドニア人が立って、「マケドニアに渡って来て、私たちを助けてください」と懇願するのであった。
パウロがこの幻を見たとき、私たちはただちにマケドニアに渡ることにした。彼らに福音を宣べ伝えるために、神が私たちを召しておられるのだと確信したからである。"
(使徒の働き 16章 9〜10節)
神様はパウロにアジアではなく、ヨーロッパで伝道させようとなさったのです。
神様は、パウロが祈って、練りに練った計画を潰してまで,まったく別なところへ導いて行かれました。
そしてパウロはヨーロッパに渡って行くことが主の御心だと確信したら、
速やかにそれに従って行きました。
パウロは、自分が主導権を握って、自分の思い通りにしようとするのではなく、
聖霊なる神様に、主導権を明け渡して、聖霊に導かれるままに、従って行ったのです。
しかも、トロアスからはルカという新しい助け手も与えられました。
神様はパウロの働きのために、シラス、テモテ、さらにルカと、新しい助け手を次々と備え、与えてくださったのです。
イザヤ書に
「わたしの思いは、あなたがたの思いと異なり、あなたがたの道は、わたしの道と異なる。
天が地よりも高いように、わたしの道は、あなたがたの道よりも高く、わたしの思いは、あなたがたの思いよりも高い。」(イザヤ書 55章 8〜9節)"
というみことばがあります。
神様はパウロの思いや願いをはるかに越えた、パウロよりも高くて大きい計画を持っておられたのです。
私たちの場合も同じです。
私たちが主導権を神様に明け渡して、神様にお任せするなら、
神様は私たちを最善の道に導いて行ってくださいます。
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