一反百姓「じねん道」【百姓の100章】『農的ワークライフバランス』実践と研究日記@斎藤博嗣&裕子*4人家族(夫婦子供2)

2005年、東京から茨城県阿見町の農村へ夫婦で移住し新規就農。
こども百姓「じねん童」2人と家庭自給生活を自学自習中

●産業的なモノカルチャー森林ではない本当の森の復興は実現可能なのだろうか?●産業的なモノカルチャー森林ではない本当の森の復興は実現可能なのだろうか? 

2017年09月24日 | 「ふうてんファーマー通信」じねん道以外のお知らせ

以前にも掲載させて頂きましたが、
印鑰 智哉さんの9月19日の記事2つ。。

●アメリカ、アジア、アフリカで大規模なモノカルチャー植林
https://www.facebook.com/InyakuTomoya/posts/2056910404335779
9月21日はモノカルチャー植林と闘う国際デーということで、植林問題について。 現在、ラテンアメリカ、アジア、アフリカで大規模なモノカルチャー植林が拡大している。引き起こしている問題は生態系破壊から住民の健康破壊、土地問題、人権問題、地域の経済問題など多岐にわたる。
 たとえば生態系に与える影響は甚大だ。使われる除草剤、殺虫剤などの農薬汚染、ユーカリなどの急速に育つ種を導入することによる水資源の枯渇、生物多様性に与える影響など。現在、さらに早く育つあるいは寒冷地でも育つように遺伝子組み換えされたユーカリの導入なども計画されつつある。これが実現してしまうとさらにその影響が深刻になることが懸念される。

 遺伝子組み換え大豆は植えてから収穫までが数ヶ月に過ぎない。それに対して、遺伝子組みユーカリは少なくとも4年は環境に曝される。遺伝子汚染や周辺に与える生態系上の影響は遺伝子組み換え大豆どころでない。そして、栽培される規模は広大であり、1つの町を覆い尽くすような植林も数多くある。
 大豆やトウモロコシなどに比べ、こうした植林に対する市民の反応はぐっと弱くなってしまう。まず食べものでないから警戒感が薄らいでしまうのかもしれない。さらに、植林は一見「緑」だ。日本の企業にはユーカリの産業的植林を環境への貢献だとうたって、宣伝しているところさえあった。気候変動枠組み会議のパリ会議でも森林の回復の意義が強調される。しかし、森林の回復とモノカルチャー森林とはまったく異なる。1992年、グリーン・ウォッシュ、という言葉が登場した(ホワイト・ウォッシュはごまかすという意味だが、その「グリーン」版)が、まさにこのグリーン・ウォッシュがまだまだ通用している。
 こんな中、遺伝子組み換え農業と匹敵するような巨大な問題であるモノカルチャー植林はなかなか注目を集めることが困難であり、反対運動にとって大きな障害となっている。
 もし、広大な地域がユーカリなどのモノカルチャー植林になってしまえば、水源が枯渇・激減して、農業にも大きな影響を及ぼすことが考えられる。ユーカリは他の植生が生えないような毒を土に残す。それは容易には回復できない。いったん、ユーカリ林になってしまった地域を元の植生に戻すことは大きな困難を伴う。それを巨大な地域で進めてしまうことが何を意味するか。そして、そのような巨大な犠牲を払って得られるものは何だろうか? その多くはパルプの原料や燃料用バイオマスとなる。しかし、果たして世界はそのような膨大なパルプを必要としているだろうか? 安いパルプの供給は再生紙の事業に影響を与えていないだろうか?

以下のページでは現在、ラテンアメリカ、アフリカ、アジアで進む植林の拡大問題が語られている。モザンビークでもユーカリ植林計画が進んでいる。それは地域貧困化計画以外の何ものでもない。

What’s Driving Tree Plantation Expansion in Latin America, Africa and Asia?

 


●産業的なモノカルチャー森林ではない本当の森の復興は実現可能なのだろうか?https://www.facebook.com/InyakuTomoya/posts/2056910404335779

 その問いに答えるブラジルにおける森林復興のプロジェクト。
 アマゾン奥地シングー川の水源地域。先住民族や小農民(漁民含む)500人が関わり、200種に及ぶ地域のネイティブな種子が175トン集められる。その集められた種子を持ち寄った先住民族や小農民たちは互いの知識を共有し、大学の研究者も加わって、その種子の持つ価値を再評価していく。政府はその活動に予算を出し、種子を集めた人びとに10年間で250万レアル(現時点で約9000万円弱)が支払われた。
 アマゾンの重要な川、シングー川の水源地域でこのような森林復活計画が実行され、地域の先住民族、小農民の参加、その伝統的な知識や主体性が尊重される中で実施され、10年で5000ヘクタールの森が復興された。破壊されるスピードにははるかに追いつかないが、水源地域での森林復興の価値は大きく、少額の予算で、地域の人びとを力づけながら、伝統的な森を元の姿に近い形に戻すことに成功させたこのモデルはすばらしい。
 その活動の中心となったのはシングーの種子ネットワーク(Rede de Sementes do Xingu)、先住民族の伝統的な種子の交換に始まる活動を拡げている。
 そのプロジェクトの進行、参加者が語る言葉、そして復興された森の姿を描くビデオ(6分19秒)

Xingu, histórias dos produtos da floresta | Sementes


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