じねん道&FFPJ斎藤博嗣も衆議院第2議員会館で発言してきました。
「農民目線の改定一緒に考えたい」
「農民目線の改定一緒に考えたい」
◎2024年3月14日(木)衆議院議員会館
「食料・農業・農村基本法」改正に向けた院内集会
【つながる、つなぐ 家族農業支える基本法改正で農村も都市も豊かになろう】
▶概要 https://www.ffpj.org/blog/20240222-2
▶報告 https://www.ffpj.org/blog/20240322
【報告】FFPJ3.14「食料・農業・農村基本法」改正に向けた院内集会.pdf
▶報告 https://www.ffpj.org/blog/20240322
【報告】FFPJ3.14「食料・農業・農村基本法」改正に向けた院内集会.pdf
家族農林漁業プラットフォーム・ジャパン(FFPJ)は、今通常国会で審議される「食料・農業・農村基本法」改正の問題点を明らかにし、小規模・家族農業が豊かになる改正の方向を考え、運動を作っていくため、衆議院議員会館で集会を開きました。(オンラインも併用)
FFPJは昨年、新農業基本法に対し提言を行いましたが、現在提示されている改正案の内容、問題点、新たに求めることなどを話し合います。会場参加者やオンラインでの参加者から、農村と都市の生活者の視点で基本法改正で望むこと、農政の問題点、こんな制度がほしいなど、様々な発言をしてもらいます。また、関係国会議員からの発言も予定しています。
●場所&参加方法:衆議院第2議員会館第4会議室およびオンライン(Zoom)
●日時:3月14日(木)13:30ー16:00
●参加費:無料
●内容
第一部:(講演)新農業基本法の問題点とFFPJが求めるもの
FFPJの提言を踏まえ、新基本法案の問題点、求めることなど
提起:池上甲一さん(FFPJ常務理事・近畿大学名誉教授)
第二部:(会場&オンライン参加者の発言)
・都市の生活者の視点から
基本法改正で望むこと/こんな食と農の政治・政策を求めます/こんな農政はだめ/この制度は使いづらい/こんな制度がほしいなど
・農村生活者(農民、農村労働者、小規模加工従事者など)、都市生活者(消費者、市民農園、援農、生協、環境保護、貧困支援、学校給食、子ども食堂などに関わっている人)、学者・専門家、林業・漁業関係者など
●農村と都市の生活者の視点から(会場&オンライン参加者の発言)
1.玉山ともよ(兵庫県の女性農家)
※オンライン
「小規模・女性農家の視点から基本法改正に望むこと」
2.高橋千佳(あいコープみやぎ理事長)
※オンライン
生協の食料・農業に対する取り組みについて
3.國母克行(栃木県農民連会長)
安田理恵子(こくぼ農園で週2回有機野菜づくり)
※会場
「農村の実情、種子問題、担い手対策、援農などについて」
4.纐纈美千世(日本消費者連盟事務局長)
「消費者・市民が基本法改正に望むこと」
※会場
5.下山久信(全国有機農業推進協議会 理事長)
※会場
「基本法に有機農業をどう位置付けるか」
6.斎藤博嗣(FFPJ常務理事/一反百姓「じねん道」
※会場
「家族農業こそ農業の担い手、世界の流れと日本の農政の問題など」
茨城で農家やっています。うちは“一反百姓”と言いながら、実際には8反歩やっています。一反歩というのは、自然農法の父・福岡正信さんの「国民皆農」と言って、全ての問題の解決は1人1人が農民になるしかないと言って、1人1反という考えが由来です。
はじめに活動紹介をします。先ほどもお話しましたが、私は屋号を一反百姓「じねん道」(斎藤ファミリー農園)としていまして、2005年に東京から茨城県阿見町の農村に移住し新規就農しました。今は夫婦と子ども二人で、小さな家族農園を営んでいます。
一反百姓「じねん道」では「緑の百姓哲学」を実践していて、福岡正信さんが唱えた『不耕起・無肥料・無除草・無農薬』の4原則での栽培をしています。永続的な非暴力農法、「地球を生かす農」であり「地球で生きるための農」だと思って、アグロエコロジーだと思って取り組んでいます。一反百姓はこの新自由主義の中で、新“自給”主義だと思って取り組んでいます。一反百姓とは「1億総生涯現役社会」のためのものです。地方創生と人生100年時代における究極の働き方・暮らし方改革だと思って、実践しております。
一反百姓「じねん道」では「緑の百姓哲学」を実践していて、福岡正信さんが唱えた『不耕起・無肥料・無除草・無農薬』の4原則での栽培をしています。永続的な非暴力農法、「地球を生かす農」であり「地球で生きるための農」だと思って、アグロエコロジーだと思って取り組んでいます。一反百姓はこの新自由主義の中で、新“自給”主義だと思って取り組んでいます。一反百姓とは「1億総生涯現役社会」のためのものです。地方創生と人生100年時代における究極の働き方・暮らし方改革だと思って、実践しております。
子どもたちと柿渋を、ちょっと湿気があるところやおもちゃの積み木に塗ったりして、暮らしが仕事・仕事が暮らし・24時間365日自学自習。農産物をつくることが農業者だと私たちは思っていないので、だから“百姓”、百のことを生業とする者として百姓と言っていますけども、こういった農作業以外の部分、子どもたちの勉強の自給、医療の自給、全て自給するということで百の仕事をしている。私はだから「何をつくっているんですか?」と聞かれたら、農業生産者として作っているものもたくさんあるんですが、むしろこういった背景をお話することのほうが多いです。五感を研ぎ澄ませる野良仕事。これは子どもが井戸水を汲んでいる写真ですが、いつもこれをやっているわけではありませんが、こういった形でやっています。ほぼ暮らしそのものが防犯対策につながっていると考えています。
そして野良仕事の中から、等身大の自己肯定感、自分自身の大きさを手足で感じ取る。頭の中だけじゃなく、手足で感じることそのものが子どもたちにとっても私たちにとっても重要な暮らしだと思っています。「自然は無教育にして最大の教育者」であり、子どもたちは「じねん童」ですね。本当の自己肯定感を含む、他者との比較ではない、西洋のネイチャーのほうではない、日本の「自ずから然り」のほうの自然の力を身につける暮らしだと思っています。百姓の食卓は無形文化遺産だ、とも思っています。
それでさっきから子どもたちの写真は小さいときのものばかりですが、もう高校生になっていて、最近「金融と経済を考える」高校生小論文コンクールで日本銀行総裁賞というのをいただきました。これは「自分の足元から考える環境と経済の両立」という題名です。日銀の方が高校まで来て表彰されました。これ、地元の茨城新聞に掲載された記事です。あと、もう1つ連続受賞で「NPO法人世界遺産アカデミー」が『世界遺産×SDGsチャレンジ!小論文部門』という、これも最優秀賞を受賞しました。「自分の足元から意識する世界遺産地域について」というタイトルで。娘は私よりよっぽど優秀なんですけど。
地域の小学校や大学生にもレクチャーするんですけども、子どもたちや大学生に農業や農村に対するイメージを聞くと、15K、マイナスイメージです。「きつい」「汚い」「かっこ悪い」「稼げない」「危険」「結婚できない」・・・これずっと読んでいくと長くなるんですが「過疎化」「後継者不足」「血縁強すぎ」「結論が出ない」「個人主義はNG」「家父長制」などが出されます。
地域の小学校や大学生にもレクチャーするんですけども、子どもたちや大学生に農業や農村に対するイメージを聞くと、15K、マイナスイメージです。「きつい」「汚い」「かっこ悪い」「稼げない」「危険」「結婚できない」・・・これずっと読んでいくと長くなるんですが「過疎化」「後継者不足」「血縁強すぎ」「結論が出ない」「個人主義はNG」「家父長制」などが出されます。
しかしですね、一方で私は畑などで「カルティベイティブ・ラーニング(Cultivative Learning)」と言って、カルチャーの語源はAgriculture(農業)です。文化を耕す、ということは自らを耕す。「自耕的・身体的で永続性のある農による学び」をカルティベイティブ・ラーニングと呼んでいますが、ポストSDGsは「ウェル・ビーイング(Well-Being)」だと言われていますけれど、これは「身体的・精神的・社会的に良好な状態」ということを示しますが、これを生涯に渡って高めていくためにカルティベイティブ・ラーニング、自分の生活を農を通して作り上げるということが重要だと話しています。
ちなみに私、6月に上智大学で非常勤講師をするんですけど、「身体知」という科目の中で私は農業の話をすることになっています。これはつまり食、自分の体をつくっているものは食である。プラス食はどこから来ていて、どのように生産されているのか。そこにさらに私が問いたいのは、その生産者なり作っている人が何を感じて自然との交換、草であったり虫であったり、空気であったり、全てのものを私たちは百姓としてすべてを交換しながら農作物を作っている、そういう話も今のこのAI時代に、あらゆる職業が減っていくと言われていますが、最も大事な身体に返っていくということをむしろ言っています。ラテンアメリカでは「小農大学」といって、私のような農民の人が講師・教授になって講義を行う大学もあります。
それで新農業基本法への私の見方ですね。改正案では「食料」だけを見て「農民」「農村」を見ていない基本法、というのが私の感じたイメージです。もう食料だけを追いかけて、国民・消費者の食料さえ手に入れば、農民と農村はいいのか、というのが私の全体の印象です。
茨城新聞にも載っていますが、「改正案では食料安全保障の確保を基本理念に位置づけ、食料供給困難事態対策法案では農家に生産拡大を要請し、増産計画の届け出を指示できると規定し、農地法などの改正案では農業法人への企業の規制を緩和」などと、もうむちゃくちゃなことが書いてありますが、その中で同じ新聞の特集欄に『「食」を支える茨城の農水産業―「品質で勝負」切磋琢磨』という非常に素晴らしい取り組みも載っているのですが、この「NIPPON FOOD SHIFT―食から日本を考える」、これ農水が応援しているみたいですが、実際には生産物、食の部分だけをクローズアップしていて、もちろんお米を高く売りたいから、こうやって取り上げられることは生産者にとってすごく有難いことですけども、この記事の最後の部分は「国の政策は大規模化、省力化、輸出のほうに向いている。それには乗りたくても乗れない。田んぼも小さいから」「国土保全の観点からも、農政には中山間地域の農業にもっと目を向けてもらいたい。兼業・家族経営を認めて育てていかないと、山間地の田んぼはなくなってしまうのではないか」と地域の生産者さんが話している。現状はこっちです。むしろ、こっちをクローズアップしてもらいたいと私は思っています。
農業の多面的機能などですね、農民の役割はもっといろいろ深いものがあります。そして「世界農業遺産」、私は自分の畑を農業遺産だと思っていますし、農民の方々も同じような想いを持って取り組んでいると思います。
農業の多面的機能などですね、農民の役割はもっといろいろ深いものがあります。そして「世界農業遺産」、私は自分の畑を農業遺産だと思っていますし、農民の方々も同じような想いを持って取り組んでいると思います。
「多様な」という言葉は便利ですが、農業の主体や農業人材や農地の具体的ビジョンがもっと必要だと思います。私の地域でも企業が入ってくるといろいろな問題、不法投棄ですとか不法残土を置いたり、本当にひどい状態です。法人で働く人というのは、ほとんど地域人ではないです。地域人というのは地域を「生命」「生涯」を「生活」の場とする人たちだと思っています。
「農」に関するローカルな知は、『生活知』という農家の経験から生まれた「知」なので、この農家から学ぶ「地に着く」姿勢が私は必要だと思います。
「農」に関するローカルな知は、『生活知』という農家の経験から生まれた「知」なので、この農家から学ぶ「地に着く」姿勢が私は必要だと思います。
最後にFFPJとして、「家族農業以外に持続可能な食料生産のパラダイムに近い存在はない」とグラチィアーノ・ダ・シルバFAO元事務局長は言っています。この小規模・家族農業は大変な作業や責任の共有によって強まり、家族の絆、コミュニティの信頼と平和・知識の交換、世代継承、生物多様性やその他多くのことを私たちに教えてくれる生活です。私はこれを「農的ワーク・ライフ・バランス」と呼んでいますが、いま少子化の中で「家庭円満農業」の価値というのは計り知れないと考え取り組んでいます。
農林水産省とも一緒になって営農が続けられる政策を考えていきたいと思います。SDGs達成のためにも、世界的課題解決のためにも小規模・家族農業やアグロエコロジーは世界的潮流です。
「小規模・家族農業の価値」を再評価するビジョンを示す“農家が主体”“農民目線”の改正をお願いして私の発言とします。
「小規模・家族農業の価値」を再評価するビジョンを示す“農家が主体”“農民目線”の改正をお願いして私の発言とします。
・参加者からの発言
・国会議員からの発言
・まとめと行動の提案
▶2024年4月8日新聞『農民』第1596号
「農業基本法改定でFFPJが院内集会 ー農業の現場 国民の声を聞け!」
「農業基本法改定でFFPJが院内集会 ー農業の現場 国民の声を聞け!」
▶日本農業新聞
2024年3月15(金)
『基本法巡り各団体集会』
家族農林漁業プラットフォーム・ジャパン(FFPJ)は14日、東京・永田町の議員会館で集会を開き、今国会で提出された食料・農業・農村基本法改正案に意見表明する行動計画をまとめた。
国民の合意形成へ、十分な議論を担保する仕組みなどを求めた