短歌と小説 4 2020-08-23 09:51:30 | 創作 朝起きて柔らかな空気で感じとる残暑が終わる秋の前日日曜日の朝、いつもより数時間寝坊した。営業職に就いている事から、毎朝4時半に起床している。休日の朝寝ていどは許してと思う。起きてから気がついた。殺人的な眩しさで照らしていた窓の光が、いつもより柔らかくなっていると。心なしか、つけっぱなしのエアコンが冷たく感じる。アァ、そうかと思った。秋が来たのだ。
短歌と小説 3 2020-08-23 04:46:07 | 短歌 想い君目で追ってしまう何気ない仕草も僕には輝きに満ちて文化祭の「シンデレラ」から、俺は森口馨から目が離せなくなった。登校して鞄から教科書やノートを机に詰めている姿、他のクラスメートと談笑している姿、水泳部のマネージャーとして選手を支えている姿、馨のすべてが輝いて見える。「お前、最近、俺を睨んでいない?」ある日、馨に言われた。つい目で追ってしまうのを、彼は「睨まれている」と、捉え方らしい。「何かしたかな?」不安そうな馨。「意識している」とは言えず、黙ってしまった。どうしよう、と思っていたら、行動がさきに出てしまった。気づいたら、馨の腕を掴んで、昇降口に走っていた。