短歌と小説

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短歌と小説 3

2020-08-23 04:46:07 | 短歌
想い君目で追ってしまう何気ない仕草も僕には輝きに満ちて





文化祭の
「シンデレラ」
から、俺は森口馨から目が離せなくなった。

登校して鞄から教科書やノートを机に詰めている姿、他のクラスメートと談笑している姿、水泳部のマネージャーとして選手を支えている姿、馨のすべてが輝いて見える。

「お前、最近、俺を睨んでいない?」
ある日、馨に言われた。
つい目で追ってしまうのを、彼は
「睨まれている」
と、捉え方らしい。

「何かしたかな?」
不安そうな馨。
「意識している」
とは言えず、黙ってしまった。

どうしよう、と思っていたら、行動がさきに出てしまった。

気づいたら、馨の腕を掴んで、昇降口に走っていた。



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