星の彼方へ〜アルツハイマー認知症の母のと私の思い出〜実話

アルツハイマー認知症の母の突然の死
母のが生きてきた証を思い出と介護の記憶を刻んでいきます

虹の彼方へ Vol.4 〜アルツハイマー認知症の母の思い出 〜母の死から葬儀、お墓探しまで

2020-09-29 17:30:17 | 虹の彼方へ(介護小説)

アルツハイマーで亡くなった母との思い出を書くことで母が生きた証を残したいと思っています。

虹の彼方へ Vo.4

胃ろうの手術をしたら元気になると信じていたけど、その期待は見事に裏切られた

もちろん、胃ろうの手術をして元気になる人もいる

だけれども母にはきっと手術は負担が大きすぎたのかも知れない

嚥下がうまくいかずに痩せ細った母には体力が追いつかなかったのかも知れない

 

今からは、突然の母の死からお葬式までのことを書いていこうと思う

もちろん最初は母の死をもちろん受け入れることなどできなかった

冷たくなった母に何度もすがり

泣き叫んだ

でも・・・・死は悲しいけれど現実だ

葬儀やの手配をしなければならなかった

葬儀やのいろんなCMを見ていても全く自分とは無関係だと思っていたので

何も準備も調べてもいなかった

病院の先生が到着して、きちんとした「死亡診断」がなされた。

施設からいくつかパンフレットをいただき、何件か電話をした。

もう何時間母のそばにいただろう。いつもは私を見つめると笑顔になってくれたは、もういない

虚空を見つめたように眠る母

葬儀やは、9:00から受付だというので少し、外に出た。

悲しみが渦のように襲ってきた。外に出ればそこには日常があふれている

木々がざわめき、風がそよぐ

でもそんな日常から「母」だけがいなくなった

 

***つづく***


父に会いにいきました

2020-09-26 23:06:00 | 介護日記
父に会いにいきました

お母さんはどこに行ったんだ?

ゆびを上にさして

いっちゃったんだな

と悲しそうに言われました

美咲が来てくれるだけで

嬉しいと言われました

父には

元気でいて欲しい

今はごめんなさい

それしか言えない

施設の人にも言われました

あんなに元気だったのに

まさか

って

人の命は

はかないものですね






星の彼方へ Vol.3 〜アルツハイマー認知症の母の思い出 胃ろうの手術

2020-09-25 17:04:19 | 虹の彼方へ(介護小説)

アルツハイマー認知症で亡くなった母との思い出を実録で書いています。

よければフォローしてください。

 

星の彼方へVol.3 胃ろうの手術

 

母が亡くなる約2ヶ月前ごろ

施設(介護付き老自ホーム)から電話があった。

「お母さまの嚥下する力が弱くなってきているので胃ろうの手術をした方がいいかと思って。一度相談しに来てください。」と

胃ろうの手術というのは、胃に穴を開けてそこから直接、水分や栄養を入れるための手術とのことだった。

そこで言われた言葉は衝撃的だった。

「お母さまは年齢の割にアルツハイマー認知症の進みが早いです」

昨年末、私が風邪を拗らせてしまって会いにいけず、そのうちにコロナで施設に会いに行くこともできなくなっていた間に一体何が起きたのか?と思うほど、母は痩せ細り、そしてきちんとした言葉を発せなくなっていた。もちろん、目が合えば、目を見開いて私を見つめてくれたりはしたけれども。

会いに行けない間に、いつの間にか母のアルツハイマー認知症はものすごいスピードで進んでいたようだ。

 

先生から3つの選択肢を言い渡された。

・胃ろうの手術を受けるか

・誤嚥性肺炎になる可能性があるがこのまま口から食べ物を摂食するか

・この頃、めっきり口から物が食べられなくなってきたので、そのままもしかしたら餓死をするかもしれないが自然のままにしておくか

 

あまりにもショックすぎて涙が嗚咽に代わっていく。

少しでも母の命を引き伸ばせる方法で・・・・・

 

そして母は胃ろうの手術を受けた。。。。

 

私がやっと喉の奥から絞り出した言葉はそれだった

 

***つづく***

 

 


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星の彼方へ Vol.2 〜アルツハイマー認知症の母は静かに旅立っていった。Vol.2

2020-09-24 18:04:10 | 虹の彼方へ(介護小説)

~星の彼方へ~

介護とアルツハイマー認知症と思い出と

 

Vol.2

 

「お母さん」「おかあさん起きて」

思わずそう言ってベッドに駆け寄った。

 

施設で夜中に巡回に来たときに母が息をしていないこと、心臓が止まっていることに施設のかたが気づいたとのことだった。

 

母の顔は青白かったが、目は少し開いていて、口も開いたまま、まるで生きているようだった。

頬にそっと手を当てた。冷たい。

手を握るとまだ死後硬直が起きていないのか、柔らかった。

 

昔はどちらかというとふくよかだった母は、骨と皮だけと言っていいほど痩せ細っていた。

 

今年に入ってあった時、私を見たときに目だけだけど嬉しそうにしてくれていた母。

 

すでに車椅子で介護5だった。

もうすでに軽快に話すことはできなかったけど、それでも生きていて欲しかった。

 

小さい頃私は母が大好きで真面目に「母が死んだら私も死ぬ」と思っていた。

そんな大好きな母が今、目の前でもう息をしていない。

 

「夢ならばいい」何度もそう思った。

昼間まではなんともなかったんですよ。施設の人の声が虚しく響く

 

「死」

どうしても受け入れられず私は何度も、母の頬を撫でる。

「お母さん、お母さん、ねぇ私だよ。会いに来たんだよ。」

介護付き老人ホームはコロナの影響で、好きなときに会いに来れなかった。

 

そんな中での愛する母の死

直視することができなかった。

きっともう一度母の息が吹き帰ってくれることを信じて

私はベッドのそばにたたずんでいた。

 

・・・つづく・・・

 

 


星の彼方へ Vol.1 アルツハイマー認知症の母は静かに旅立っていった Vol.1−1

2020-09-23 19:03:00 | 虹の彼方へ(介護小説)

アルツハイマー認知症を発症してから4年間、介護と母との思い出を綴った実話です。

〜星の彼方へ〜介護とアルツハイマー認知症と思い出と

母が死んだ
夜中に眠るように
息を引き取った

夜中の電話はいい知らせではない
分かってはいたけど

「お母さまが心肺停止状態で息をしていないです」
電話の向こうの女性は、申し訳なさそうに話す

意味がわからない
先日、会ったときはまだ、母は確かに生きてい真夜中の暗闇の中を車を飛ばして
母の入っていた「介護付き老人ホーム」に到着すると

救急車のサイレンと警察のサイレンの灯だけが虚しくあたりを照らしていた。

病院でなくなった場合以外、警察が立ち会うらしい
事件性はないので解剖は必要ないのでは?
と警察官にいわれる。

まだ、何が起きたかわからず、何しろ母に会いたかった。
まさか死に目に会えないなんてことがあるなんて
自分では夢にも思っていなかったから

母が暮らしていたドアはいつもよりも重く感じた

そこには静かに横たわっている母がいた

・・・つづく・・・