宝泉寺 ブログ

お仕舞いにする覚悟

 今日で、寒中托鉢2日目が終わる。今冬は、例年以上の厳しい寒さが続いているが、少なくとも、今年は満願をしたいと願っている。

 41年前に寒中托鉢を始めたのには、色んな思いがあった。後の永観堂禅林寺法主森凖玄師が、羽島市で寒中托鉢行を続けられていて、それに憧れていたこともあった。また、師匠(親)のやっていないことにチャレンジしたかったこともあった。
 私のやり方は、森凖玄師が実践されていた方法を受け継いでやっている。使う偈文も、スタイルも真似ている。一軒ずつ門付けをしながら回るのも同じ。

 昨年は心臓手術後ということでお休みした。今年は最後にしようと思ったのには、少しだけ理由がある。
 気力と体力の衰えが、まずある。手術からの体力の回復には、ほぼ1年が必要だった。元気なうちに手術をするという選択は正しいのだが、それでも回復には長い時間がかかってしまった。
 本堂が完成したことも理由だ。皆さんの大きな力をいただいて、立派な本堂が完成した。一昨年、先立った高校時代の友人が、最後に送ってくれた年賀状に「本堂建設は、住職の集大成とみた」と書いてくれた。一つの区切りができたとも思う。
 またライバルであった師匠(父)が逝去したこともある。もうライバルはいない。
 人生のフェードアウトをする中の一つの決断で、寒中托鉢行を終える。この41年間の中で、地元の方々との新しい接点が生まれたし、自分を育ててくれたのが寒中托鉢行だと思う。

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