尾道出身のＨさんの話し

先日、納骨に来て下さったＨさんの話だ。
Ｈさんは、もともとは広島県尾道市出身の方だ。尾道では、宝泉寺と同じ宗派のお寺の檀家さんだった。
こちらで葬儀をするときに、宝泉寺が葬儀をすることになった。戒名は尾道市のお寺で付けてもらった。
その葬儀は、若きころはハーレダビットソンでツーリングをしていたというカッコいいご主人だった。
そのご主人の納骨に来られた。尾道市のお寺にあったお墓を閉じて、近在になる宝泉寺に納骨をされた。
法要後、本堂内で会話をしたときに、その奥さんが「主人が亡くなってしまいましたが、いま現在の方が、一緒にいるような感覚があります」とお話ししてくれた。
これを聞いたときに、思いだしたことがあった。漫画家はらたいらさんと言えば、クイズダービーで天才的な回答をしたことでも知られている。
はらたいらさんは、６３歳で病死している。
はらたいらさんの妻　ちず子さんは「なくなった当初と違い、いまは主人と一緒にいる感覚があります。むしろ、今の方が近くに感じています」と。
経典に「倶会一処」という文言がある。お浄土で共に会えるという意味だ。お浄土で再会できるのだが、娑婆でも「倶会一処」がありうるかもしれない。