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64歳で退職するか65歳で退職するか

2023-07-11 21:08:06 | リタイヤプランニング

64歳で退職するか、65歳で退職するか迷っているというご相談がよくあります。

その方その方でいろいろ条件が違うと思いますが、64歳と65歳で何が違うのかお話ししたいと思います。

そのうえでご自身の参考になればと思います。

 

60歳から再雇用で勤めている方の場合を考えましょう。

64歳で退職して雇用保険の支給を選択すると・・・

  64歳11か月で退職すると雇用保険が支給されます。失業保険は65歳未満までの方が対象です。

65歳になると失業保険の代わりに高年齢受給者給付金の支給になります。

  例えば8月10日生まれの方は、前々日の8月8日までに退職すると失業保険の受給になります。

  雇用保険では誕生日の前日に一つ歳を重ねるという考え方です。

  基本手当は勤続年数に応じて失業保険を支給される日数が違います。

  今回は自己都合・定年退職・期間満了の一般受給資格者の表の日数になります。

    

  自己都合・定年退職・期間満了などの一般受給資格者

   

 

  倒産や解雇など会社都合による離職者

  

失業保険は再就職希望であることは必須条件です

ハローワークへ行かれたらその意思を示しましょう

注意しなければいけないことがあります。

特別支給の老齢厚生年金を受給中の方は、併給はできません。

支給停止となるのは、ハローワークに「求職の申し込み」をした日の翌月からです。

支給停止となった年金は、雇用保険の受給期間が終了した翌月から権利が復活します。

失業保険と特別支給の老齢年金の金額を比較して、どちらが多いかを確認してから判断する必要があるので

退職前に自分にとってどちらが得になるのか早めに検討しておく必要がありますね。

 

失業保険について少し触れます。

給付日額の求め方は退職前6か月賃金より求めます。

      賃金日額=離職日の直前6か月に支払われた賃金総額÷ 180日

基本手当を計算します。給付率により基本手当の額が変わりますのでおおよその額です。

      基本手当日額=賃金日額 × 給付率(80~50%)  

      60~64歳の場合は80~45%

失業給付の総支給額の計算式

     失業給付の総支給額=基本手当日額 × 所定給付日数

月額手当は基本手当日額の28日分です。

4週間に1度(28日)認定日があり、求職活動の状況を確認するためハローワークで「失業認定」が行われます。

 

 

65歳で退職を選択すると・・・

  高年齢求職者給付金の支給となります。

  雇用保険に入っていた企業や組織で働く65歳以上の人が、退職した時に受け取ることができる失業保険です。

  計算式は失業保険と変わりません。

 

      賃金日額=離職日の直前6か月÷ 180日

  賃金日額には上限、下限があります

     基本手当日額=賃金日額 × 給付率(80~50%)

  

  高年齢求職者給付金は一括払いの一時金です。

  被保険者期間が1年未満は30日、1年以上は50日分です。

  年金との併給が出来ます。

  要件は、①離職前1年間に11日以上働いた月が6ヶ月以上あること。

      ②「失業」の状態であること。

 

年金受給者の方が、ハローワークで求職の申込みをしたら、年金事務所への届出が必要となる場合があります。

 

最後に、失業保険と老齢年金を併給する場合

先ほど、失業保険と老齢年金の併給はできないとお話ししましたが、出来る場合があります。

65歳の誕生日前(64歳)に退職し、65歳に到達したらハローワークへ「求職の申し込み」をした場合です。

65歳以降は年金の減額や支給停止などの調整がありませんので、退職後に失業給付を受けられます。

ただし、お勤めの会社によって自己都合扱いになり支給制限期間がありますので、会社にお尋ねになった方が良いか

と思います。

 

 

  


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