私にとって社会との接点は仕事だ。
仕事でなくても接点を持てるような日々を送れる人も沢山いるでしょう。
私もそうできればいいのにと思う。
でも、私には何もない。
「これをしていれば寝食忘れて没頭できる」というような趣味もない。
何が好きなのかも分からない。
こんなことを考え始めるといつも思い出すことがある。
中学時代だったか、運動会で800メートル走に出場し、そこそこ上位でゴールした。その時に見学に来ていた母にこんなことを言われた。「みっともないから、そんなに必死な顔をするんじゃないの。」と。
母が当時どんな気持ちでそんなことを言ったのかはわからない。
もしかしたら、微笑ましいながらも褒めるのが照れ臭かっただけなのかもしれない。
このような出来事が発端になっているのかは分からないが、勉強でも習い事でも没頭しかけると、ふと我に返ってしまい集中できないことがあった。
それに頑張るってどうすればいいことなのか分からない。
良好な対人関係を築くのも苦手で、落ち込んだときにはこの人と会って話せばまた元気になれるといった学生時代や会社での友達もいない。
これと言った趣味がないので、趣味から繋がった人間関係もない。
ホントに私自身にはなーんにもない。
つまらない人間だな、と嫌になる。
私の母も人間関係を構築出来ない人で、私の学校の父兄とも、パート仲間とも、町内会においても誰とも折り合えず、血圧が上がると言って続かない。唯一、側にいてくれる(いるしかない、、、)家族すら否定する。
そんな母の顔色だけを見て成長してきた私は、社会人となるとき、社会性の発射台がそりゃ人より低かっただろうな、と。
既に高齢の母の話を聞いていると、自分が社会に出て20年、試行錯誤しながら、作り上げ、積み上げてきた社会性の位置から引き摺り下ろされるような気分になる。
仕事にしがみついているのは、社会と折り合えずに生きてきた母への反面教師。
そして、社会に不満はあっても何とか折り合いをつけながら、現社会で生きていっている後ろ姿を娘に見せておかなくてはならないという思いからだ。