こんにちは 横森です。
最近、桑村さんに「こいつは柔道だけは真面目」とかなんとか馬鹿にされてるので、今年の柔道の大会を振り返ります。今年を振り返る写真と一緒に。
4月には選抜体重別がありました。事実上のアジア選手権の最終選考会となったこの試合では学生の台頭が目立ちました。5階級で学生が決勝進出を果たし、特に73kg級での石原選手(日体大)の強さが際立っていました。決勝で石原選手が背負い投げを決める瞬間の鈴木監督の表情は衝撃的なものでした。60kg級で中村選手(国士大)が永山選手(SBC湘南美容)を縦返しで抑えて決勝に進出したことは記憶に新しいことでしょう。とはいえ、永山選手はその後のマスターズで選考に残り、ついにパリへの切符を手に入れることになります。さて中村選手ですが私が小学生の時に講道館で練習したことがあります。山梨の敷島JSSという道場から講道館に来ていました。当時から耳が沸いていて、とんでもなく強かったことをよく覚えています。
12kg痩せたひと
6月には優勝大会本戦がありました。が、注目されたのは、それに向けた東海大の校内予選がYouTubeで配信されたことでしょう。久しぶりに見た名選手がたくさん出ていました。勝野選手(浦安出身)、市川選手(習志野出身)、本原選手(仰星出身)など、非常に面白かったと思います。本戦では様々な名シーンがありました。決勝で福岡準優勝の中村選手(東海大)、準決勝で学生王者の酒井選手(天理大)が斉藤選手(国士大)に敗れていたのを見ると、その圧倒的な強さが伺えます。東海大は国士大に敗れたものの、来年の戦力は相当なものになります。中村選手(仰星出身)、工藤選手、菅原選手、近藤選手(相模出身)、森田選手(小杉出身)、と4年生だけでこれだけの実力があります。
東医体優勝選手(左から 医学科部門、歯薬部門、患者部門)
8月には全日本実業団がありました。今年の話題はやはりパンフレットのpdfが公開されたことでしょう。実業団団体でもそうでしたが。団体の時は登録メンバーまで公開されていましたが、第一部の身長体重が強烈過ぎて面白かったことは記憶に新しいことでしょう。旭化成は基本的に全員180cm、100kg以上あるわけですが、それを満たしていないのは永瀬選手だけでした。まあ、永瀬選手は出ていませんでしたが。昨年はライブ配信がなぜか第一試合場だけで批判されていましたが、今回は全試合場、しかも試合者の名前付きで配信されており、見やすかったと思う方も多いことでしょう。全中やインターハイでもライブ配信がありますが、大切なのはやはり会場番号と試合番号です。この2つが分かれば長い配信アーカイブから目当ての試合を容易に特定できます。また、配信もYouTubeが最も見やすいでしょう。インハイTVやスポーツブルでは再生時間の微調整がしにくく、再生してもタイトルと異なる試合が投稿されていることも珍しくありません。
松島のスカイツリー
10月、全日本学生選抜体重別がありました。選抜体重別の超級の3位の2人は毎年誰が入賞するか分からない、というのが一番の感想です。また、酒井選手(天理大)が昨年の体重別団体で優勝したのはもちろんですが、ついに個人でも全国制覇を成し遂げ、ドンマイチャンネルで語っていた目標を達成したことが感慨深かったです。日大の入賞は惜しくもありませんでしたが、安定して5位の選手は多くいました。最も印象的だったのは90kg級の田所選手(日大)でしょう。昨年の全学3位の黒川選手(明大)を撃破しての5位です。4年前に練習試合した時は自分と引き分けていた選手が結果を残し、講道館杯に進出していました。北大関係では、去年の全日本優勝大会で澤田さんが対戦した澤口選手(日体大)が優勝、藤井さんが対戦した海堀選手(日体大)が準優勝でした。
雪の中、チャリできたひとたち
11月、講道館杯がビッグイベントでした。個人的なベストシーンは、100kg超級で3位入賞した、道場の先輩である木元選手(日本製鉄)が表彰式で講道館杯を、道場の先生から受け取っていた瞬間です。解説の穴井監督からも、「改めて実力があることを証明してくれた」との評を得ていました。高橋選手(国士大)、中村選手(東海大)の勢いある二人の学生を撃破しての3位は実力がなくてはなしえないということでしょう。印象的な点は、興本扇学園時代から注目されていた大阪府警の樋口選手が優勝したことや、習志野対決となった関本選手(明大)と青木選手(帝京科学大職)の試合、鎌倉選手(専大)や竹市選手(国士大)が第一シードを撃破したこと、田中選手(国士大)と市川選手(東海大)が茨城国体ぶりの大舞台で千葉県対決をしたこと、笠井選手(早大)と山田選手(JRA)の秒殺試合、山口選手(ALSOK)の復帰、などでしょうか。山口選手が復帰戦で新井選手(東海大)を撃破したのは、さすがでした。
千歳の川で水遊び
12月、GS東京については派遣選手が問題視されました。講道館杯の結果が出場者選考に反映されない。五輪内定階級については代表者とジュニア選手、非内定階級については候補選手3名とジュニア選手ということでしたが、ejudoの記事を始め疑問視する声が散見されました。ジュニア世代で結果を残していても、実業団入社後に結果の出ない選手は数えきれないほどいます。他方、五輪・世界代表がジュニア時代から活躍しているわけでもないこともあります。そんな難しいジュニア世代に経験目的でGS東京に派遣することに対しては賛否両論ありました。GS東京は国内開催では最大規模の大会であり、派遣費用も最小限。さらには最大4名まで日本代表を送り出せる。そうした大会でロサンゼルス五輪有力となりうる2番手、3番手の選手よりもジュニア選手をジュニア王者という理由だけで優先させることに対しては賛否両論でした。しかし、ジュニア代表はそんな下馬評を覆す活躍を見せていました。100kg級の新井選手(東海大)の準優勝を始め、78超級の新井選手(日体大)の優勝など。100kg級については、内定見送りとなりましたが、飯田選手(旭化成)が初戦で敗退したことも話題となりました。とはいえ最大の争点は、そもそもオリンピックポイントが足りるのかどうかということでしょうか。大陸枠は使わないとの見解も公表されています。高校生、大学低学年が初出場のGS東京で活躍するというと、飯田選手の高校時代のGS優勝が思い出されます。『侍』がテーマと語っていたこともありました。眠れる獅子のために全柔連は目覚ましを100個用意していたそうですが、ついぞ目を覚まさなかった形になってしまいました。
社会の厳しさを教えてもらう、某部員B(北大)
なかなか結果が出ない選手を眠れる獅子と喩え、めざまし用意してますと監督がツイートした後に、2回戦敗退。厳しい世界です。ツロボエフ選手(ウズベキスタン)を投げ飛ばしたのは話題になりました。
そして先日、ついに藤井甚平選手(北大)を慕ってる後輩世界ランキングが発表されました。
第3位
曽我明愛選手(北大)(朝トレサボりニキ)
第2位
わたし
第1位
羽成幸祐選手(北大)
来年は優勝目指して慕っていきたいと思います。