北大柔道部ログ

函館旅行記第三部 前文

今日は「刑法Ⅰ」という授業の期末テストがある。
法学部の選択必修であり、これを落とすと即留年、というわけではないが、
卒業要件の1つであって非常に大切な科目である。
僕もこの授業を選択している。

しかし、今までろくに授業に出ていない。
たまに授業に出席しても、教授の言っていることが全然わからないので、
90分ずっと文庫本を読んだり、判例集を斜め読みしたりしていた。
ちなみに、僕と竹中以外の法学部生は意外にもとても真面目だ。
大瀬はいつも最前列の座席で教授の一挙一動をかぶりつきで見つめる。
それはまるで、踊り子を血走った眼で見つめる往年のストリップファンのようだった。
いまにも教授のパンティーに札束をはさむのではないか、と思わず心配したほどである。
保坂と言えばさらに真面目だ。
大瀬とは対照的に最後列の座席におちつきながらも、毎回のように授業に出ている。
実のところ、大瀬は最近出席する回数が少なくなっているようだ。
「今週1回しか授業出てないよ~」
などとヘラヘラしながらのたまうので、こちらとしては非常に心配である。
もしこのブログに目を通していたら、ご両親は一度電話してあげてください。
そして叱ってあげてください。
竹中のご両親はあきらめてくださいもう手遅れです。

あまり授業に出ないながらも、僕も彼らと共にテストを受けて単位を取得しなければならない。
というわけで一夜漬けである。
僕は中学生のころから一夜漬けが非常に得意だった。
たぶん何とかなるだろう。
大瀬から過去問もすでに貰っている。
さあ、がんばるぞ。

僕の大好きなアニメ「かなめも」を見ていると時刻は深夜2時過ぎに。
そろそろやるか、と思い教科書を取りだす。
……。
無い。
「刑法Ⅰ」の教科書が無い。
六法も無い。
……。

部室に忘れてきた。
教室の机の中に教科書類をつっこんで下校する高校生のような感覚で、
部室にそれらの教科書を「置き勉」していたのだ。
そして回収するのをすっかり忘れていた。
どうしよう……。

もういいや。
もうどうでもいい。
解答用紙に「都ぞ弥生」を書こう。
もしくは七帝柔道について書こう。
もう両方書こう。
北大ではそれを書いて単位を取得できたという伝説があるではないか。
両方書けば僕に対する教授の心証ももう最高になって、
矢も盾も堪らず秀を与えてしまいたくなるに違いない。
余った時間で林さんに書くように言われていた函館旅行記を書くことにしよう。

……やっぱり眠いのでまた明日!

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コメント一覧

竹中
このような人心をいたずらにかき乱すような怪文を載せるのはいかがなものかと
広瀬昌広
ちゃんと授業行ってたブヒー。
山本
高嶋さんの文章力には教授方も屈するはずです
ネバーギブアップです
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