第5回 楽心館有段者稽古会 故櫛田指導員追悼
令和2年11月23日。中野区沼袋に開館した中野区総合体育館へ、午後3時半に集合しました。4月にお亡くなりになった櫛田指導員をの遺影を正面に飾りました。彼が情熱をかけた稽古に、遺された我々は羞じることのない取り組みをしましょう。そして質の高い稽古で、参加する方々に楽しんでいただき、社会へ還元しましょう。そのように一同誓いを新たにしました。
私は7月に還暦を迎えましたが、そのような年に世界中を巻き込むコロナ禍が起きました。重ねて櫛田指導員を喪い、本来ならば苦境に孤独な思いをしていたはずです。ところが「こんな時こそ、楽心館の役に立ちたい!」の思いで、切れ目なく稽古参加者があり、指導を引き受ける指導員の姿がありました。正直申し上げて経営的に苦しい事情が、ないことありません。しかし多くの方々に支えられて、少しの不安もございません。かえって本部道場・東京武道館・文京・八王子・西新宿は、コロナ禍前よりお稽古人数が増えてしまいました。「櫛田君が守護神になってくれたんだね?」と、遺影と向き合いました。
今回、古武道部門の古川博文に教授代理の役職任命し、独立していただくことになりました。凧を空高く上げるには、握っている糸を緩めて伸ばさないといけません。独立させるとは、この糸と同じです。古川教授代理には、これからますます高く上がっていただかないとなりません。
来年は、合気道部門の平康之に師範の役職任命し、益々精進していただきます。私も年齢を重ねたので、後々の始末を視野に入れています。
稽古内容は浸透力の訓練から入り、基本を深める2時間でした。
これで年内の行事は、本部道場の大掃除だけとなりました。こうして貴重な一年が、また過ぎることを思うと、寂しさと焦燥の入り混じった感想を覚えます。これを無常というのでしょうか。まだまだやることが多いので、感傷になど浸っていられません。抜かりなく勤めたいと思います。